本のソムリエおすすめ本を紹介する書評サイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「世界の未来は日本にかかっている 中国の侵略を阻止せよ! 」アンドリュー・トムソン

本のソムリエ 2021/04/08メルマガ登録
このエントリーをはてなブックマークに追加

「世界の未来は日本にかかっている 中国の侵略を阻止せよ! 」アンドリュー・トムソン


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 中国語と日本語を操るオーストラリアの元国会議員である著者が、いかに母国オーストラリアが中国の秘密工作を受け、それを拒否し、その結果、経済制裁を受けているのか教えてくれます。


 オーストラリアでは労働党の副党首であるダスティヤリ氏が「南シナ海での中国の活動に干渉してはならない」と発言し、調査してみると黄向墨という事業家から資金提供を受けていることが発覚。辞任しました。


 オーストラリアは中国の秘密活動に気づき、2019年に外国干渉法を制定し、中国のオーストラリア属国化に対抗しています。そして中国の工作活動は全世界で行われており、スパイ防止法のない日本もいずれはオーストラリアのような決断を求められると予想しています。


・外国影響透明化法(外国干渉法)という法律が、オーストラリアで2019年に施行されました・・目的は、政界へのサイレント・インベージョンを防ぐことで、中国などの外国政府によるあらゆる秘密工作を補足する非常に幅広い規定があります(p45)


 中国の秘密工作はあまり秘密ではなく、えげつないことがわかります。例えば、バイデン大統領の息子に投資ファンドを通じて賄賂を渡す。オーストラリアの労働党副党首には資金提供、献金する。


 現在はオーストラリアからの大麦、石炭、ワイン、牛肉の輸入を制限しています。台湾のパイナップル禁輸も報道されている。製品ボイコットや輸入制限をしたり、観光客、留学生を制限したり、明らかな嫌がらせでわかりやすい。


 中国はこのように対抗する国には、武力だけではなく輸出入などの経済活動、政治家への資金提供、国連やNGOへの工作,マスコミによるプロパガンダ、法律、サイバー攻撃、ウイルス等中国の持つすべての総合力で攻撃したり、懐柔作戦を実行しているのです。


・2013年、ジョー・バイデンは公式に中国を訪問し、中国によるアメリカ企業のハッキングを阻止し、中国の南シナ海への侵攻を阻止するために、習近平と交渉しました・・・中国は・・南シナ海の不法占拠を強化しました。しかし、ハンター・バイデンは、高収益投資ファンド(中国からの出資)の30%の株式を手に入れました。(p147)


 オーストラリア人が中国と世界情勢をどう見ているのか、よくわかりました。中国は着実に南シナ海に拠点を作り、弾道ミサイル・中距離ミサイルを配備し、台湾侵攻の準備をしつつ、日本、オーストラリアの政治家、実業家、マスコミ、学者などをエージェントとして獲得している。


 2013年に習近平氏がオバマ大統領にハワイを境に東太平洋を米国が、西太平洋を中国が統治することを提案しましたが、それは本気だったのです。恐ろしいことです。


 トムソンさん、良い本をありがとうございました。


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 


人気ブログランキングへ


この本で私が共感した名言

・オーストラリアのすべての主要都市の中国領事館には、これら留学生の間にスパイネットワークを形成することを専門に行う職員がいました・・・すべての中国人留学生の活動を監視し、民主的価値観や人権尊重への支持を表明した留学生について領事館に通報していたのです(p21)


・外国政府が日本企業や個人に政治献金を行い、日本政府の政策に影響を与えるためのエージェントとして利用することを止めるものは何もありません(p50)


・もし中国がアメリカ、日本、オーストラリアとの海戦に勝利したら、どうなるでしょうか・・・米国国防総省の戦争ゲームの演習では、しばしば中国が優勢になったという現実があります(p214)


・フランシスコ教皇はローマでダライ・ラマに会うことを拒否しました。教皇は新疆ウイグル自治区のウイグル人迫害を含む中国の人権侵害について沈黙しています(p87)


・アメリカのハイテク企業は民主党とリベラル左翼イデオロギーの強力な支持者であるため、中国共産党はこれらの企業を介して民主党と同盟を結ぶことができます。中国共産党の狙いは、日米同盟を破壊し、アメリカを説得してアジアから軍事力を撤退させることです(p150)


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村へ


▼引用は、この本からです
「世界の未来は日本にかかっている 中国の侵略を阻止せよ! 」アンドリュー・トムソン
アンドリュー・トムソン、扶桑社


【私の評価】★★★★★(90点)



著者紹介

 アンドリュー・トムソン (Andrew Thomson)・・・1961年、オーストラリア生まれ。メルボルン大学法学部、文学部(日本語・中国語)卒業。ジョージタウン大学法学修士号取得。1983年、慶應義塾大学に留学。1986年、北海道大学法学部助手。その後、東京の外資系金融機関て゛法務に従事。国際弁護士として豪州、米国、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、中国北京などで活動。通商関連の法務に携わる。1995~2001年、豪州連邦議会議員。外務副大臣、スポーツ観光省(シドニー・オリンピック担当)大臣、国会条約審査委員長、豪日国会友好議員連盟会長等を歴任。全英オープンゴルフ5回優勝のピーター・トムソンの長男でゴルフ解説も行う。日本コ゛ルフ協会外交委員会会員。現在、福岡に在住。妻は日本人。


目次

第1章 オーストラリア人からのメッセージ
第2章 オーストラリアが反撃することを決めた理由
第3章 日本史における重要点
第4章 安全保障の奴隷―普通の主権国家までの道
第5章 日本人による新憲法―憲法制定会議の必要性
第6章 地域の安全保障―共産主義の中国、北朝鮮、台湾・インド太平洋
第7章 西洋を毒殺している狂ったリベラリズム
第8章 世界を救い出せるのは日本の一般国民だけ
第9章 習近平の勝利のディストピアを幻視する


メルマガ[1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』]
3万人が読んでいる定番書評メルマガです。
>>バックナンバー
登録無料
 

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本 : , ,



同じカテゴリーの書籍: