「コンプレックスは営業の最高の武器である」中北 朋宏
2021/03/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
営業マンが売れない原因は自分にある
元お笑い芸人から営業ナンバーワンとなり現在はお笑い芸人からの転職支援を行っているという著者の営業術です。営業の基本はこちらから売り込むというよりも相手のニーズを聞き取り、ニーズに合わせた提案をすること。
例えば、りんごを1分間で売るとすれば、必ず質問から入るのです。最初に質問で相手のニーズを50秒ヒアリングして、最後の10秒でりんごを売り込むのです。お笑い芸人がウケない原因は自分にある。営業マンが売れない原因は自分にあるのです。
面白いのは、オンライン営業がテレビのお笑い芸人のテクニックとの親和性が高いということでしょう。テレビに出演するということは、四角い画面の中で視聴者に自分という存在を伝えていくということ。番組の編集で採用されるためにリアクションを大きく感情を表現するなどの工夫が必要なのは、オンライン営業でも同じなのです。
ワイプ芸・・・1リアクションは通常の1.5倍 2感情を過度に顔で表現する 3聞こえなくても声を出して頷く「この3つを意識するだけで、ほぼワイプの画面と同じサイズのオンライン商談は、抜群の効果を発揮するんや(p90)
夢は諦めても人生は諦めない
本書からはお笑い芸人を諦めた経験から、夢は諦めても人生は諦めないというこだわりが伝わってきます。うまくいかない状況でも、別の分野で成功すればそれは成功のための苦難の歴史になるのです。「やりきった」「すべて出しきった」というお笑い芸人は、再就職してもうまくいくケースが多いという。
つまり、自分の過去の失敗やポンコツな所も徹底的にやり切っていれば、わだかまりなく自己開示できるので、それが魅力になるのです。例えば、新入社員なら、会話に困ったとき、人によっては恋愛の相談してうまくいく場合があるのです。自分の素を出し、心から「相手のことを本当に知りたい」という気持ちが相手に伝わるのでしょう。
自分のコンプレックスを乗り越えて、人と簡単に共有できるようになれば、失敗は失敗ではなくなり、過去にとらわれることはなくなります(P288)
自分の得意に没頭する
ストーリー仕立てにしているところも、さずがお笑い芸人と感じました。そしてストーリーの主人公が自力ではなくて、チームを作って他力を活用する点も素晴らしい。自分の不得意な部分を修正するのではなく、チームで助けてもらいながら、自分の得意に没頭するのです。
著者の取扱説明書を聞くだけでも面白い。得意:人の懐に入ること、不得意:事務作業、価値観:真面目にふざけること、チームが目指すビジョン:夢諦めたけど人生諦めていない人のために尽くすという具合です。
読んでいるだけで営業という仕事の可能性と楽しさをイメージさせることができる内容でした。中北さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・『好きは夢につながり、憤りは志につながっている』・・・自分の人生に自分が、一番期待しなくなってしまうんや。そうしたらもう人生は終わりやで(p67)
・緊張しなくなると事前準備を怠ったり、何となく場に参加してしまう。むしろ、緊張し続けた方が人は成長するんや(p87)
・強敵に対して立ち向かって行くときに人は一致団結しやすい・・・しっかり時間と場所を取り、旗を立てて助けてもらうために君の思いを語ってみてくれ!(p189)
【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 僕と「俺」の絶望的な出会い
第2章 オンライン商談でコンプレックスはなぜ役に立つのか
第3章 「緊張」を改善する必要は全くない
第4章 未来の家族の風景
第5章 自分史上、最大の大敗
第6章 旗をたてて、助けてもらう
第7章 チャンスは再びやってくる
第8章 相手から噂される存在になる
第9章 自分と仲間に期待する
著者経歴
中北 朋宏(なかきた ともひろ)・・・株式会社俺 代表取締役社長。浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動する。その後、人事系コンサルティング会社に入社し、中小企業コンサルティングの実績でNO.1を獲得。2018年2月9日に株式会社俺を設立。お笑い芸人からの転職支援「芸人ネクスト」や笑の力で組織を変える「コメディケーション」を展開中。
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