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九州パンケーキを作った「九州バカ-世界とつながる地元創生起業論」村岡浩司

2021/02/03公開 更新
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「九州バカ-世界とつながる地元創生起業論」村岡浩司


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

九州バカは九州を元気にする

「九州バカ」とは、宮崎県から九州を元気にしようと活動している著者のことです。著者は九州で最初に「タリーズコーヒー」のフランチャイズ店を開店しました。2012年には九州産の素材だけ使った「九州パンケーキ」を開発。2017年には廃校を活用した新社屋を建設し、コワーキングスペースを併設して起業家コミュニティを支えているという。この九州バカとは、鹿児島の天外人(てんがらもん)のような人だな、と思いました。


九州バカである著者も実は若い頃、大失敗しています。高校卒業後、アメリカ留学した著者はアメリカから直輸入した古着や雑貨を売る店を立ち上げました。最初のうちは、年々売上を伸ばし店舗を増やしていきます。調子に乗って大規模商業施設に出店してみたら、初年度から赤字になってしまったという。急速に資金繰りが苦しくなり、経済も不況という中で売上も減る一方。著者は廃業を決意するのです。


著者はこの失敗から、自分は金儲けだけを追いかけて起業していたということに気づいたというのです。つまり、起業したことで顧客や社会に届けたいメッセージ、商品、価値がまったくなかったのです。


・毎夜のように飲み歩いていた繁華街から離れてみれば、そこで知り合って朝まで一緒に騒いでいた仲間たちは誰も僕を助けてはくれませんでした(p81)


ライバルは「北海道」

著者は現在、九州を元気にしようと活動しています。自分の金儲けのための事業と地元九州のための事業には、天と地ほどの差があるのです。著者は「タリーズコーヒー」のフランチャイズ店を開店していますが、カフェブームが過ぎると消費者は「本物」を選び、見せかけだけのカフェは姿を消したという。


著者は九州を元気にするために地元の価値を見いだし、ブランド化を目指しています。これまで食品業界は、「少しでも安いものを」という考えに苦しんできましたが、勇気をもって消費者に適正な価格を問いかけることを避けてきたと批判しています。著者の目指す九州のブランド化は、「当たり前」を可視化することである、ライバルは「北海道」なのです。


著者は基本的にチャレンジャーなのだ、と思いました。そのチャレンジャーは失敗から学び、「九州を元気にする」というチャンレンジする目的を持って突っ走っているのです。著者も社員も取引先も地元九州のためという価値観があるから、一体化できているように感じました。村岡さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・コワーキングスペースには「明確な成長を意識したビジネスコミュニティ」が存在している・・・九州各地では廃校を勝つよしたコワーキングスペースが次々に立ち上がりました(p244)


・「まちづくりをしていると、いろんな人が反対意見を言ったり、ときには邪魔をしたりするかもしれない。でも、自分に信念があればそれを貫き通しなさい。次世代を担おうとする若者が弱気になっていたら、まちは変わらないよ。」(池田達信)(p90)


▼引用は、この本からです
「九州バカ-世界とつながる地元創生起業論」村岡浩司
村岡浩司、文屋


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章 地元創生起業のすすめ
第2章 カフェとまちづくり
第3章 九州の素材だけでつくりたかった、毎日のおいしさ
第4章 世界をかけるオール九州のプロダクト
第5章 地元と世界をつなぐハブになる



著者経歴

村岡 浩司(むらおか こうじ)・・・有限会社一平(九州パンケーキ)代表取締役。MUKASA-HUB 代表。1970年宮崎県生まれ。 1988年宮崎県立大宮高校卒業後、コロラド・メサ大学に入学。 途中退学し、 輸入衣料や雑貨を取り扱う会社を設立。1998年、家業である寿司店を継いで寿司職人に。2002 年に、九州1号店となる「タリーズコーヒー」のフランチャイズに加盟。現在多数の飲食店舗を経営する。


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