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作業員の友がオシャレになった理由「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」酒井大輔

2020/12/09本のソムリエ メルマガ登録
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「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」酒井大輔


【私の評価】★★★★★(93点)


内容と感想

 最近ワークマンが元気だ、ということで手にした一冊です。ワークマンといえば現場作業員の友、というイメージですが、ワークマン女子という言葉があるようにデザインもよくなってきた。


 店舗もワークマンプラスというアウトドアショップのような外観、内装に転換している。実は商品はまったく同じで陳列方法を変えただけなのだという。そして売り上げは2倍となったのです。


・改装費用はすべて本部が持つ。だから、店長からすごく感謝されたという(p89)


 ワークマンをアウトドアショップに転換させたのは三井物産OBの土屋哲雄氏(現ワークマン専務)です。2014年から「中期業態変革ビジョン」に基づきデザインを改善し、データ経営により年収100万円アップを目指したのです。そして実際にビジョンが実現化した。


 その店舗改装もABテストでデータを取り、駐車場の利用率もデータで予想。店舗からの発注もデータによる完全自動発注。商品開発でもデータで仮説を立て、正しいかどうか検証する。セブンイレブン並みです。


・同時期に2店舗出すと実験ができる。すべてがABテストだ・・・ワークマンプラスへ全面改装するのがいいのか、それとも看板や内装の一部のみ変更する部分改装がいいのか。立地だけでなく、売れ行きもバラバラの店舗を選び、やはり同時期にリニューアルオープンして、差分を取った・・・結局、部分改装のほうが(投資額に対する)コスパがよかった(p87)


 著者のまとめ方もうまいが、ワークマン自体がすごい。2016年からブロガーを活用した販促と商品開発を行っています。商品納入に関しては売上状況を見ながら納入業者が数量を判断して納入する「善意型サプライチェーン」を導入。


 すべてが先進的ですね。


 もともとワークマンは原価率65%という圧倒的なコスト競争力を持っているところに、デザインを改善し、売り方を変えたらいきなり爆発したという印象でした。経営方針でこれだけ変わるということに驚きました。文句なく★5とします


 酒井さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・家賃3%・・・当時の原価率は63%程度。商品が売れれば、売価の37%が粗利となり、さらに粗利の40%をフランチャイズ加盟店に分配する仕組みだった。家賃を3%に抑えられれば、諸経費を差し引いても、10%以上の営業利益を確保できる(p36)


・2016年9月、ワークマンは「ブロガー向け商品発表会」を初めて開いた・・・売り上げの5%分を成果報酬として還元するというアフィリエイトプログラムも展開した(p142)


・ワークマン側がアンバサダーに報酬を支払うことはない・・・直接的な報酬はないとはいえ、ワークマンのアンバサダーになれば、読者やフォロアーが倍増して広告収入が増えたり・・・知名度は格段に高まる・・・(p151)


・完全自動発注システム・・・3年分のPOSデータや、倉庫からの出荷データを持ち寄り、2年分のデータを見て、3年目の出荷を当てるというのを繰り返した・・・・目指したのはプラスマイナス20%・・・回転が遅いので、高い精度は必要ない(p101)


・AIは、たちどころに結果を教えてくれる。だからこそ、社員が考えなくなってしまう。そもそも社内の課題解決なら、エクセルでも十分できる(p70)


・善意型サプライチェーン・・・どれだけ製造するかを決める判断材料として、ワークマンは社内のデータをすべてメーカーに開示している・・・納品を全部任せて、全部引き取って、一切文句を言わない・・・先方に少しでも悪意があれば、過剰在庫をつかまされてしまいそうだが・・・善意の納品をしてくれるのだという(p97)


・駐車場の利用率・・・1人で来た場合、相乗りして2人で来た場合、3人で来た場合に滞在時間はどうなるか。そういうデータを自分で取って駐車場の回転率を割り出した・・・現在はPOSデータから駐車場の利用率を予測している(p90)


・ワークマンには余計な仕事はやらないという文化がある・・・歓送迎会といった社内行事や日本フランチャイズチェーン協会といった業界団体への加入、仕入れ先への接待はしない・・・海外展開を一切しない(p260)


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▼引用は、この本からです
「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」酒井大輔


【私の評価】★★★★★(93点)


目次

はじめに ワークマンとは何者か
第1章 ワークマンを変えた男
第2章 大躍進の裏に「データ経営」あり
第3章 ものづくりは売価から決める
第4章 ファンの「辛辣な文句」は全部のむ
第5章 変幻自在の広報戦略
第6章 店づくりは壮大な実験
第7章 継続率99%! ホワイトFCへの道
第8章 「変えたこと」と「変えなかったこと」
第9章 アフターコロナの小売りの未来


著者紹介

 酒井大輔(さかい だいすけ)・・・1986年石川県生まれ。京都大学法学部卒業後、金沢で新聞記者に。2017年、日経BPに入社。日経トレンディ編集部に加わり、2018年から日経クロストレンド兼日経トレンディ記者。2020年6月から日経クロストレンド記者。


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