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デジタル時代の仕事術「テレワーク歴15年の達人が教える うまくやる人のリモートワーク術」山内貴弘

2020/09/23公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

リモートワークで成果を出すコツ

朝、BBCを見ているとイギリスでは新型コロナウィルス拡大が止まらず、コロナ対策として政府が職場でのリモートワークを推奨しています。著者は情報システム会社で15年間、ほぼリモートワークで成果を出してきたという。著者の仕事は、ソフトウェア開発が中心のですが、普通の仕事との共通点は多いはず。リモートワークで成果を出すコツを聞いてみましょう


興味深かったのは、2人でひとつのタスクを同時に取り組む方法です。たとえばビデオ会議を接続しておいて、パソコンで共有サーバー上のPowerPointのシートを見ながら、関連する資料を一緒につくっていくのです。プログラミングでは、ペアで同じプログラムコードを見て、会話しながら打ち込んでいくのが効果的だというのです。


通常業務と同じように根回しをする

リモートワークとなることで、次のような状況となるようです。出張が減る。誤解や行き違いが増える。感情が伝わりにくい。したがって、メールやテレビ会議での発言は丁寧にわかりやすくする。テレビ会議では意識的に笑顔でオーバーに表現するのが良いという。


同じように、方針を決めるようなテレビ会議の前には、通常業務と同じように根回しをすることが大事とのことです。伝わりにくいからこそ、コミュニケーションが大事になるのでしょう。


・根回しが終わってからビデオ会議を招集・・・最終的に5人のメンバーで合意することが必要だとしたら、いきなりその5人をビデオ会議に集めたりしません。まずはAさんに相談し、次にBさんにも相談・・・というように個別にビデオ会議を設定し、自分の話を聞いてくれる人をあらかじめ増やして根回しするとともに、反対意見を持っている人の意向を探っておきます(p191)


人を観察しながら対応を変える

人の性格をエンジニアタイプ、芸術家タイプ、公務員タイプ、世話好きタイプに分けて、対応を変えているのが印象的でした。リモートワークでもうまくやっている人は、普通の仕事と同じように人を観察しながら、どうすればうまくいくのか考えているのです。


また、自由な時間が増えるからこそ、その時間を何に使うのかで大きな格差が生まれるように感じました。学び成長する人はどんどん成長し、そうでない人はいつまでも同じなのです。山内さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・誤解や行き違いが生じます。「メールの文章は普段よりも丁寧に」「ジェスチャーや表情は豊かに」、そして「感謝やねぎらいの言葉を過剰なくらいに発信する」(p74)


・オンラインでは所属の感覚が薄くなりやすい・・・「あれ、今回の参加者のうち、自社の社員は誰と誰だっけ?」(p48)


・リモートの新規営業・・・ユーチューバーが動画の継続視聴のためのチャンネル登録をしてもらう活動に似ている・・・ごく限られた時間で自己紹介し、継続視聴などのメリットを短く印象的に伝え、次の視聴へつなげなければならない(p90)


・自由な時間が増えるから、その時間で未来への投資をしよう・・・自発的に学ぶ姿勢があるかどうかが問われます(p237)


・最近では自学形式のEラーニングだけでなく、外部の研修へビデオ会議を通じて参加する人材教育が盛んに行われています(p49)


・「30分あたりパワーポイントの資料が何枚できたか」・・・KPI(Key Performance Indiater)を自分なりに設定し、測定と振り返りのプロセスを繰り返して生産性を上げる(p120)


・「芸術家」タイプ・・・軸は自分が本気になって好きになれる仕事です・・・自分が発案した企画なら継続もできるはずです(p154)


・パワハラ型上司・・・メールやチャット、ビデオ会議ソフトウェアなどに、データとしてパワハラの証拠が残ってしまいます(p41)


▼引用は、この本からです

山内 貴弘 、すばる舎


【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 人と会う機会が激減する新世界がやってきた!―お客様とも同僚とも
第2章 環境を整え、仕事相手を理解しよう
第3章 個性に合わせた働き方でがんばりすぎずに生産性を引き上げる
第4章 リモートコミュニケーションでの「べからず集」



著者経歴

山内 貴弘(やまうち たかひろ)・・・(株)クレスコの技術職の最上位職エグゼクティブITアーキテクト。日本IBMを経て、現職。筑波大学大学院システム科学研究科修了。日本IBMでは、システムズエンジニアなのにソフトウェア営業日本一を二度獲得。同期中最速で課長職に昇進し、IBM認定プロジェクトマネージャーとなる。大規模プロジェクトを数多く成功させる。IBMでは人材開発Japan Leaderも担当し、オフショア開発等のリモートワークの推進。エンジニアのスキルアップ、スキルシフトをもとにした組織変革を推進した。現在は、(株)クレスコで2300名の技術リーダーとしてエンジニアを育成するとともに、スクラムマスターとしてお客様のアジャイル開発を推進。リモート開発を推進している。


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