ウェブセミナーをやりたい人のための「オンライン・セミナーのうまいやりかた」高橋龍征
2020/08/25公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
年間200回以上のイベントを実施する著者が教えるオンラインセミナーの実施のコツです。セミナーを企画・実施するにあたって重要なことは、オンラインとリアルで8割は共通だという。
つまり、セミナーの目的を明確にして、参加してもらうべき顧客を集めているか、確認しながら、試行錯誤していくこと。セミナー料金で稼ぐのか、見込み客を集めるのか目的をはっきりさせ、改善を繰り返していくことが大事なのです。例えば、個別の商談にまで持っていくのが目的なら、事後のアンケートで個別商談の希望を取ればいいので、参加時に出欠や本人確認をとる必要がないかもしれない、という仮説が立つのです。
著者が自分で無料イベントを打つ際はフォロワーを増やす目的のことが多いという。Peatixなどイベント管理ツールでは、有料無料にかかわらず、チケットを申し込むと、チェックを外さない限り、自動的に主催者のアカウントをフォローするという機能があるのです。フォローしている人には、個別にメールを送付できるのです。
・自社商材の購買が最終ゴールなら、逆算して、どんな課題を持ったどういう人が参加すべきターゲットかを考えます・・・次のアクションにどうつなげるのか、そういった目的と顧客化へのシナリオを明確にすることが大切です。根拠もなく「たくさんの人を集めたい」とは言えません(p56)
オンラインセミナーを主催するにあたって、気を付けることを列挙してみましょう。
ディスプレーは複数がいい。1つだけだと、ウィンドウの切り替えに手間取り、つい説明が止まってしまうことがあるという。また、サポートスタッフを準備しておく。事前の練習でフィードバックをもらう。
セミナーがはじまったら、オンラインは集中力が続かず、疲れるのでアイスブレイクを入れる。また、30分~45分ごとに質疑応答の時間を入れたり、チャットでコメントや質問して、ただ一方向に聞く時間を極力抑えるなどの工夫をしています。そして、参加者が自らチャットを送りたくなるような働きかけが大事だという。つまり、アイスブレイクとして、チャットでコメントする練習を入れるとか、中間の質疑応答の時にチャットでの質問を促すとか、話しながら余裕があれば時折チャットのコメントや質問を拾うなど、チャットを使ってもらうようにするのです。
実際、一番学びになるのは、実際自分がオンラインセミナーに参加してみることだという。うまくやっている人のやり方を真似るのです。簡単に刺さる企画をつくるといっても、それが一発でわかる可能性は、著者であっても非常に低いのです。現実には仮説検証を継続し、改善を重ねながら少しずつ確率を上げていくしかないという。だから無駄を削り、可能な限り標準化・自動化・フォーマット化して、誰でもすぐに手間をかけずにできるようにして、継続していくことが大事なのです。
・オンラインの場合、オフライン以上に事前の練習が重要です・・オペレーションする側からは、参加者がどう見えているか、聞こえているかがわかりません。なので、実際誰かにオンラインツール経由で参加してもらい、フィードバックをもらわなければ、改善すべき点に気づきにくいのです(p28)
手元に一冊置いておきたい実践的で非常にわかりやすい一冊でした。オンラインにしろリアルにしろ企画は改善を繰り返していくことになりますが、なぜ成功したのか失敗したのかわからないこともあるという。それでも仮説を立てながら、試行錯誤を繰り返してセミナーの質を上げていく。それしかないのです。
高橋さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・集客は案内文が超重要(p96)
・実は、オンラインコミュニケーションでまず重要なのは「音」と言われています。声が聞こえなかったり、雑音が入ったりしていると、聞いている人は苛立ちを感じてしまいます(p170)
・指示は口頭で行うのではなく、資料に記載し、流れの中で必要に応じて複数回表示するようにします(p24)
・有償セミナーの欠席対応なら、あらかじめ「欠席者にはセミナー動画と資料を事前に配布します」としておけば、行けなくなって参加費を無駄にするリスクが減ると考え、早めに申し込みをするインセンティブになります(p38)
▼引用は、この本からです
高橋 龍征、クロスメディア・パブリッシング
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 オンラインシフトとは
第2章 オンラインセミナー成功のポイント
第3章 セミナーを企画する方法
第4章 セミナーをプロデュースする方法
著者経歴
高橋龍征(たかはし・たつゆき)・・・。早稲田大学の社会人教育事業WASEDA NEOプロデューサー、conecuri 合同会社 代表社員。早稲田大学卒業後、SCSK、ソニー、サムスン電子で勤務後、独立。デジタルハリウッドのアクセラレータやFintechラボ立ち上げ等に従事後、テック企業の共同創業・経営(取締役COO)を経て現職 。年間200件以上の企画を実施する「場づくり」の実践家として活躍。
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