【書評】「言葉にできるは武器になる」梅田 悟司
2020/05/19公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
頭に浮かんだ言葉を書き出す
「バイトするなら、タウンワーク」を考えたコピーライターが教える言葉の作り方です。
著者は、言葉をつくるには、まず自分の考えていることを理解することが必要だという。人は分かっているようで、自分の考えを分かっていないらしいのです。まず、頭に浮かんだ言葉を書き出し、整理し、いろいろな角度から考えることからはじめるのです。
「人に話すことで、悩みが解消された人」と同じように、頭の中に浮かぶ内なる言葉を外に出すことで、頭の中に考える余地や空間が生まれるというのです。
記憶域にあるものを一旦外に出して、考えることに集中できる環境を整えることである。そのために、真っ先に行うべきことは、頭の中に浮かんでくる内なる言葉をとにかく書き出すことである(p71)
思考サイクルとして型を決める
興味深いのは、考えを深める手法を「思考サイクル」として型としているところでしょう。考えていることを整理するにしても、視点を拡張する、逆転させる、他人の視点から考えるなど方法論があるのです。
さらには「時間を置いて寝かせる」「一度書いてみた言葉や文章は、口に出して読んでみる」まで明確化しているところは、プロだなと感じました。
正しく考えを深める「思考サイクル」・・・1頭にあることを書き出す(アプトプット) 2「T字型思考法」で考えを進める「連想と深化」 3同じ仲間を分類する(グルーピング) 4足りない箇所に気付き、埋める(視点の拡張) 5時間を置いて、きちんと寝かせる(客観性の確保) 6真逆を考える(逆転の発想) 7違う人の視点から考える(複眼思考)(p70)
言葉を拡張し解像度を上げていく
コピーライターは、簡単にコピーを作っているわけではないのだと感心しました。自分の考えを整理しつつ、こう言ったら相手はどう受け止めるのか、どう感じるのかまで考える手間をかけているのです。
「なぜ?」「それで?」「本当に?」と、内なる言葉について分析し、拡張し、解像度を上げていくという。それだけ言葉を大切にしている著者のすごさを再認識したわけです。梅田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「こんな時に、こんなふうに感じるのか」「自分はこういう人間だったのか」と発見する・・次に重要になるのが、思っていることや感じていることに幅と奥行きを与えること。そして、頭の中から出し、目に見える形にすることである(p34)
・「内なる言葉」に意識を向け続ける習慣こそが重要である(p58)
・「人を動かす」広告づくり・・・「人が動きたくなる」ようにしたり、「自ら進んで動いてしまう」空気をつくることしかできないのだ(p46)
・言い切る(断定)・・我が巨人軍は、永遠に不滅です(p)
・1人に伝われば、みんなに伝わる(p208)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
1 「内なる言葉」と向き合う
2 正しく考えを深める「思考サイクル」
3 プロが行う「言葉にするプロセス」
著者経歴
梅田 悟司(うめだ さとし)・・・コピーライター。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授。1979年生まれ。大学院在学中にレコード会社を起業後、電通入社。2018 年にインクルージョン・ジャパン株式会社に参画し、ベンチャー支援に従事。2022 年4 月より現職。 主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、タウンワーク「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション統括など。
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