「CREATE WORK 自分だけのキャリアをつくれる人が入社1年目からやっていること」ピョートル・フェリクス・グジバチ
2020/04/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
グーグルでは挫折を乗り越えた人を評価
著者はモルガン・スタンレー、グーグルで人材開発に携わっていました。グーグルでは挫折を乗り越えた人を評価していました。反対に、日本の大企業では「波風を起こさない人」を採用基準にする会社があると指摘しています。決まった仕事を決まったとおり実行する人を求める日本の企業と、常に新しいサービスと成長を目指す企業との違いなのでしょう。
日本の職場では、「何をしていいかわからない」「ろくに仕事を教えてくれない」という不満が聞かれることがありますが、これは自律性のない人の典型です。とりあえず、自分にできることを何か探す人が、自律した大人なのでしょう。「会議室をとっておいて」と言われたら、プロジェクターが必要か確認するのが、著者の求める人材なのです。
グーグルでは、優秀さの定義を地位や肩書きで判断しません・・・具体的には、「挫折経験の有無」と「挫折を乗り越えた経験」が重要な採用基準です(p21)
ギリギリの目標を設定
この本で推奨されるのは、外資系で評価される人の基準だと思いました。10倍の成果を目指す。ギリギリの目標を設定。ハイリスク・ハイリターンに挑する。失敗しても評価される組織だからできる内容です。
著者の理想は、「何したい?」「今日何する?」「今日は、どういうふうに時間を使う?」「何に夢中?」「それは他人にどんな価値があるの?」と問われる職場なのだと思いました。質問するとしても、「私はこう思うんですが、どうですか?」と自分なりの仮説を持ったうえで、教えてもらうような職場です。
日本では、失敗しないよう低めの目標設定をして、確実に達成する人のほうが評価されている組織が多いのではないでしょうか。日本でも、挑戦して成功して評価され、挑戦して失敗しても評価されるようになる日が来るのでしょうか。
10倍の成果を出す・・・目標は「ギリギリ手が届く」ところに設定・・・ハイリスク・ハイリターンな挑戦をする(p79)
外資系の仕事の仕方
面白かったのは、グーグルでは顧客との打ち合わせで、自分だけでは返答できず、社内の誰かに意見を聞かなければいけない場面、客先から直接連絡ツールで担当者にメッセージを送るか、電話で回答をもらうのが一般的だという。日本なら持ち帰って、課長の了解を得て回答するのが手堅い方法と考えられるでしょう。
日本もあと40年もしたら、今、入社した人たちが役員となり外資系に近い考え方の会社に変わっていくのだろうか?と妄想しました。まずは目の前の仕事を楽しくワクワクやって、成果を出していきたいものです。(ただし、失敗・不祥事しない範囲で)グジバチさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・どんな職場にも、「みんなが気になっているけれど、誰もが忙しくしていて、そのままになっている仕事」があります。みんなの共有の棚が乱雑になっていたり、郵便物を取りに行っていなかったり・・トナーが片づけられていなかったり。そんなとき、自主的に動いて片づけていくのも、またリーダーシップなのです(p44)
・名刺交換をしても、後で連絡もしない人が結構います。僕の感覚では、90%の人はそのままです・・・その後なんの音沙汰もなしでは、そもそも挨拶も名刺交換もいらなかったんじゃないの?と思います(p51)
・×「注意されるとへこむ」
○「もっとよくするために教えてください」と自分から意見をもらう(p96)
・僕はよく、話の流れで 「あなたは、いったい、何者ですか?」と尋ねます(p233)
▼引用は、この本からです
ピョートル・フェリクス・グジバチ、SBクリエイティブ
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
序章 今、日本の会社で仕事をするということ
第1章 たとえ新入社員でも「自分軸」で仕事をする
第2章 会社・組織をハックする
第3章 「学び」で成長をつくる
第4章 社内外で自分の価値を最大化するために、今からできること
第5章 自分を守る方法
著者経歴
ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)・・・プロノイア・グループ株式会社代表取締役/モティファイ株式会社取締役チーフサイエンティスト、TimeLeap株式会社取締役。プロノイア・グループにて、組織文化の変革コンサルティングを行ない、その知見・メソッドをモティファイにてテクノロジー化。またTimeLeapにて子どもの起業家を育成する。ポーランド生まれ。2000年に来日し、ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て2011年にGoogleに入社。アジア・パシフィック地域における人材開発に携わったのち、2014年からはグローバル人材の育成戦略の作成に携わる。2015年に独立し現職。
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