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【書評】「体温の伝わる交渉 702社のコスト削減を実現したプロの作法」佐谷進

2020/03/18公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー


交渉の基本

不動産ファンドで数百億円の取引交渉をしてきた著者が教える「交渉」にあたっての基本です。日本人との交渉だけでなくシビアな外資系企業との交渉でも応用可能とのこと。


国が違えば考え方そのものが違うものの、交渉にあたっての「いつでも交渉を中止できるようにする」「話さないで聞く」のような基本は変わらないのです。


・外資系量販店のバイヤーの心得・・・
 ・いかなる売り込みにも一切熱意を示してはいけない
 ・提案への応答は、常に否定から始めなさい
 ・理不尽な要求をしなさい
 ・常に上司のせいにしなさい
 ・愚かに振る舞いなさい
 ・いつでも交渉を中止できるよう備えなさい
 ・話さないで、聞きなさい(p114)

相手の立場に立つ

やはり交渉におけるポイントは相手の立場に立つことだという。敵対関係よりは信頼関係を持ったほうが良いということです。


例えば、サプライヤーから売り込みされているならば、自社本部・上司から譲歩を引き出すため、サプライヤーの協力者として、譲歩を得るという立ち位置で交渉するのです。


言い方としては、「「すみません、この金額ではどうしても届かないのですが、何とか御社とお取引したいと考えています。金額でなくても、何か別のサービス面で譲歩していただけるような部分はございませんか」と言えばいいのです。


サプライヤーの営業マンを敵ではなく味方として取り込むのです。だからこそ外資系バイヤーでは敵対関係を推奨する会社もあるのでしょう。


・5つの交渉スタンス
 1 常に交渉相手の立場に立って交渉する
 2 常に交渉目的へ立ち返る
 3 時間を常に意識する
 4 交渉相手との「暗黙の共通ルール」を意識する
 5 諦めない。固定観念を持たない(p50)

どこは譲歩してよいか作戦を作る

相手の主張の根拠は必ず確認しましょう。また、相手の主張をすぐ受け入れるのではなく検討時間を作ったり、こちらの条件も要求しましょう。


例えば、値上げをすぐに受け入れるのではなく、数か月後や納品時までは現行価格で取引して、検討時間を作る方法もあるのです。また、一方的に譲歩せず「その代わり、支払いは早くしてください」など、こちらも条件を示しWinWinを目指すのです。


仕事での交渉向けの本でしたが、普通の人でも自家用車を購入するときに活用できそうでした。奥様が決定権を持っていることにして、営業マンと交渉するのです。どこまで値引きさせるのか理想の条件、最低限の条件、何のオプションを要求していくか、どこは譲歩してよいか事前に作戦を作りましょう。


営業マンが「これ以上は下げられません」と言ってからが交渉スタートなのです。佐谷さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・交渉とは何かを言い表すと、「信頼関係の構築」+「ベストな取引条件」を獲得するための手段(p18)


・交渉前に調べる・・サービスを利用する目的は何か・・目的に沿ったサービスには何があるか・・競合製品、代替製品はないか・・上位3社はどのような企業か・・各サプライヤーの特徴や強身弱みは何か既存サプライヤーと同規模の企業はあるかスイッチング(サプライヤー変更)・・コスト(手間、解約違約金はかかるか等)リレーション(人間関係、ブランド等)クオリティ(品質、機能性、スピード等)(p87)


・交渉条件整理シート・・交渉目的・・交渉の雰囲気・トーン・ポジション、相手とのパワーバランス・・既存の取引条件およびマーケットの条件
 オファー(理想)の条件
 ターゲットの条件
 ボトムラインの条件
 追加条件
 譲歩条件(p95)


・1000万円以上のサービスや商品を購入するのであれば、その分野の専門家に相談料を支払い、助言に基に購入を検討するのも一つの手でしょう(p89)


・交渉担当者は決定権を持ってはいけない・・・返答しづらい質問に関して、後ほど決裁者の指示を仰ぐという理由で即答することから免れられるということが第一・・・決裁者を悪役・敵役にすることで担当者間の信頼関係を保ったまま交渉を進めることができます・・決裁者は同席させない方が賢明です(p119)



佐谷進 、Nanaブックス


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次


第1章 コスト削減に必要な交渉力
第2章 コスト削減を成功させる交渉方法I
第3章 コスト削減を成功させる交渉方法II
第4章 実践的交渉テクニックとNGアクション
第5章 サプライヤーとの交渉 実践編



著者経歴


佐谷 進(さにたに すすむ)・・・ジェミニ・コンサルティングを経て、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン株式会社(現プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社)へ転籍。大手製造業のコストマネジメントおよびエンジニアリング、大手都市銀行の営業戦略の策定、経済産業省からの受託リサーチなどに従事した後、不動産投資信託(REIT)の運用会社であるジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社に入社。住宅、オフィス、商業施設、ホテル、物流物件の取得から運用・コストマネジメントを担当した後、大手の流通小売・飲食企業にて店舗開発、出退店戦略担当等を経て、独立。株式会社プロレド・パートナーズを設立


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