【書評】「これからの会社員の教科書 社内外のあらゆる人から今すぐ評価されるプロの仕事マインド71」田端 信太郎
2020/01/20公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
仕事の基本
NTTデータ→リクルート→ライブドア→LINE→ZOZOと渡り歩いた著者の仕事術です。リクルートではフリーマガジン「R25」を立ち上げ、ライブドアではメディア事業部長、LINEでは広告事業の責任者となり株式上場まで経験。実績十分でしょう。
若手向きの内容となっており、遅刻しない、仕事の受け方、メールの書き方、出し方と基本から説明しています。
議事録を記録するなかで、日頃から自分が「この会社はこうあるべきだ」と思っている方向へ、会社の方向性をさりげなく捻じ曲げていくことができます(p75)
会社員の仕事
中堅となってくると、社内の人脈も大切になってきます。会社員として本当に実現したいことがあるなら、社内に仲間を増やす必要があることを教えてくれます。または、最低限、「敵にはならない」と事前にお願いするのです。
したがって、社内では誰に対しても失礼なことや、傲慢な態度を取らないようにしているという。つまり、その相手と自分の立場がいつ入れ替わり、邪魔をされるかもしれないからです。嫌な思い出があるのでしょうか。
35歳過ぎの男性は、8割がメンツでできています。社内でよくあるのですが、隣の部長に直接相談して、自分の部署の部長のメンツをつぶしてしまうパターンです(p96)
業界の実態
面白いと思ったのは、業界の小ネタでしょうか。著者が経験豊かなのがわかります。例えば、マッキンゼーでは、クライアントのビルを出たら、100メートルくらい離れて、クライアントが見えなくなるところまで行ってからタクシーを拾うとか。
また、糸井重里さんはクルマのコピーを書くときに、かならずそのクルマを買って乗ってコピーを書いているとか。
雑誌なら広告収入が大きいので広告を取る号、読者を意識した号と分けているという点もおもしろい。このメルマガも新刊を紹介するとき、古典を紹介するとき、昔の良書を紹介すると分けていますので。
「ブルータス」は「広告を取るための号」と「読者の幅を広げるための号」と「既存読者を盛り上げるための号」の3パターンに分けているそうです(p57)
仕事への思い
「自分はこうしたいんだ」、という思いをもって仕事をしているのだと感じました。そうした思いがあれば、根回しもするし、お客さまへの配慮もする。すべては自分のためなのです。
前澤さんが退任するのでどうするのかな、と思っていたら、同じように退職されるようです。どこでも生きていける人なので大丈夫でしょう。田端さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・おっさんは司馬遼太郎が大好きです・・・まずは、夏目漱石、司馬遼太郎、村上春樹、三島由紀夫。このあたりを全部読まなくてもいいのですが、一冊も読んだことがないとなると「さすがにどうなの?」と思われます(p138)
・仕事のための読書は「アウトプット」を前提として、アウトプットする場面を意識しながら、読むことが大切です。たとえば今度、石油業界の人に提案することになったとしたら、まずは石油業界に関する本を読んでおくことです(p162)
・打ち合わせの場所が相手先なのであれば、訪問先のビルまで行き、受付まで確認したうえで近くのカフェなどで待機する。これはあたりまえのリスク管理です(p27)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
Chapter 1「人並み」を目指すか、「プロ」を目指すか
Chapter 2「伝え方」次第で結果は180度変わる
Chapter 3「単純作業」に仕事の真髄がある
Chapter 4「根回し」抜きに大きな仕事はできない
Chapter 5「社交スキル」は一生モノの武器になる
Chapter 6「トラブル対応」は鮮やかに
Chapter 7「情報収集」がきみのオリジナリティをつくる
Chapter 8「経済・法律・歴史」はビジネス世界の共通言語
Chapter 9「働き方・キャリア」の最適解を導く
Chapter 10「パフォーマンス」をさらに高める
著者経歴
田端 信太郎(たばた しんたろう)・・・ZOZOコミュニケーションデザイン室長。1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」を立ち上げる。2005年、ライブドア入社、livedoorニュースを統括。2010年からコンデナスト・デジタルでVOGUE、GQ JAPAN、WIREDなどのWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。2012年NHN Japan(現LINE)執行役員に就任。その後、上級執行役員として法人ビジネスを担当し、2018年2月末に同社を退社。
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