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「管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう」倉貫 義人

2019/12/25公開 更新
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「管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう」倉貫 義人


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

給与は一律で賞与は山分け

給与が一律で、賞与は山分け。経費使い放題、休暇取り放題のシステム開発会社があるという。さらに月額定額でお客様の顧問プログラマーとして、柔軟にシステム開発を行なうというサービスも提供しています。朝礼もなければ進捗確認会議も決まったオフィスへの通勤もない、ないないづくしの会社なのです。


現在の社員が35人で、フラットな組織のままで運営しているという。経費も、事前に承認を受けず、休暇も取り放題。評価制度もなく給与は一律で、賞与は山分けなのです。


仕事も上司から指示するのではなく、「問題の相談をする」というスタンスだという。仕事をするかどうかの判断は本人にしてもらうのです。つまり、普通の会社が報告・連絡がほどんどだとすれば、この会社は雑談と相談を重視しているのです。


上司がいないので、決裁はありません。だれでも経費は事前の承認なく使えて、休暇だって取り放題。評価制度さえなくて、基本的に給与は一律で、賞与は山分け(p4)

入社は1年仕事してから

この会社は優秀な社員を入社させ、成長させる仕組みがあるのだと感じました。まず、採用については1年から1年半、社内のシステム開発を手伝ってもらい信頼関係が構築できたら採用するという仕組みになっています。つまり、実際に1年間実力があるのかないのか、報酬を払いながら審査しているのです。社内システムの開発をしてもらうので、仮に失敗したとしても実害は小さいのです。


さらに失敗を減点するのではなく、反省し、学びに変えて、次に活かしてもらうような人事評価としているという。プロでないとやっていけない職場だからこそ、人を育てる教育に力を入れていることがわかります。例えば、新卒で入社した社員に対しては、入社して数年間は「師匠」となる人をつけるという。つまり、実力が求められるフラットな組織で、新卒で何の知識もないと、やっていけないのです。


ふりかえりができれば失敗してもいい・・・ふりかえりをして学びに転化できれば、「勉強になったね」と次に活かすための糧となります(p73)

月額定額制というシステム開発

受注・納品しない月額定額制というシステム開発は、プロの能力を買うビジネスモデルだと思いました。なぜならプログラムは人日×単価で契約しますので、優秀なプログラマーだと人日が小さくなって儲からないのです。だから、人日ではなくプログラマーの能力を月額定額で買ってもらうのです。


この会社をもう少し調べてみたくなりました。倉貫さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・職種ごとに基本的に給与はほぼ一律にして、賞与は山分けにする(p147)


・「やったほうがいい」ことはしない・・
 ・議事録のレビューで誤字脱字をチェック・・
 ・全員そろっての朝礼
 ・社内の会議にむけた資料作り
 ・全体会議での進捗共有
 ・有給や経費を取得するための事前の決裁
 ・オフィスへの毎日の通勤・・(p40)


・KPTでふりかえりをする・・・ 
 ・Keep=よかったこと
 ・Problem=悪かったこと
 ・Try=次に試すこと(p30)


・ビジョン合宿は、旅館などへ1泊2日で泊まり込みでおこないます。普段の日常業務から離れて、だけど社員旅行ではないので真面目に議論します(p161)


・会社の時間に会社の仲間とする公式な活動を何と呼ぶのか。私たちは「部活」と呼ぶことにしました・・・稼ぐ必要もないし、逆に稼いでもいい・・新規事業の創出ではなく「部活」なので、そこにかかるコストは「部費」になります(p248)


「管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう」倉貫 義人
倉貫 義人、技術評論社


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1部 生産的に働く ~楽に成果をあげるために"見直す"
第2部 自律的に働く ~人を支配しているものを"なくす"
第3部 独創的に働く ~常識や慣習に従うことを"やめる"



著者経歴

倉貫義人(くらぬき よしひと)・・・株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、
プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットー。


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