「クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国」若桑みどり

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【私の評価】★★★★☆(83点)


■ローマ教皇来日のニュースを聞いて
 手にした一冊です。


 1550年頃イエズス会が日本に入り、
 少年使節をヨーロッパに送りました。
 キリシタンは九州の人口の
 30%にも達していたという。


 ところが帰ってきた1596年には
 キリスト教は迫害されていた。
 キリスト教受難の時代でした。


 時代は戦国時代。
 信長がキリシタンと連携し、仏教を迫害。
 秀吉がキリシタンを使って九州を平定し、
 その後キリシタンを迫害したのです。


・なぜ、伝道後数十年にして信者が九州の全人口の30%をこえる30万に達したのか・・キリスト教がまず貧民の救済事業を行ったことが大きく関係している(p33)


■面白いのは当時のカトリック教会は
 現在のカトリックのように
 金権主義と腐敗で宗教改革を招き、
 多くの信者を失っていました。


 そうした中で遠くアジア、アメリカに
 信者を獲得しようとしており、
 日本からの少年使節団は歓迎されました。


 宣教師の中にも軍人がおり、
 布教と貿易と場合によっては
 軍事侵略を考える人もいたという。


 当時の日本の貧しさ、
 日本と海外の思想・科学技術の差などが
 頭の中に浮かびました。


・善意の異教徒を説き伏せるには、次の三点を教示する必要がある。第一に、救いは仏教や新道いずれの宗派でも不可能である。第二に、創造主、世界の造り主である唯一の神のみが存在する・・第三に、魂は不滅であり、また唯一の神を認め、そのかたの起きてを遵守した者が、永遠にわたって幸せを楽しめる別の世界に入れる(p138)


■ローマ教皇はバチカン初のイエズス会出身。
 本書のイエズス会のザビエルが来日から
 今回のローマ教皇来日が繋がりました。


 550ページはすごいボリュームで
 文献を読むようなもので
 楽しめました。


 若桑さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・1583年に・・イエズス会の総会長に、宣教師が最高6クルザドスまで金を貸し付けることができるよう許可を願い出ている。利息は年10%である。当時、この土地の日本人の金貸しの利息は年70から80%だった(p32)


・信長が仏教勢力を屈服させる梃子としてキリスト教徒を用いた・・・キリシタンは、信長を仏教を滅ぼす神の手だと思っていた(p195)


・九州征伐は、キリシタンの武将たちにとって一種の十字軍となった。キリシタンだった有馬、大友の同志を救うための、キリスト教的信念に基づく戦争であるから、彼らにはたたかう理由があった(p394)


・日本や中国についても、武力によってそこを征服して手っ取り早くカトリック信仰を宣布すべきだ・・・



若桑みどり、集英社
【私の評価】★★★★☆(83点)

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■目次

第1章 マカオから大きな船がやってくる
第2章 われわれは彼らの国に住んでいる
第3章 信長と世界帝国
第4章 遙かに海を行く四人の少年
第5章 ローマの栄光
第6章 運命の車輪
第7章 迫害
第8章 落日


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