「スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本」高津和彦
2019/10/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
会社の打ち合わせで、40代の司会のフィラーが気になってメモをしていました。書状としては、「えー」「あのー」「で、」「えーと」「ま、」。 あとは急に進んだり止まったりしていたのです。本人は意識していないと思いますが、聞いているほうは、話している内容が止まるとイライラするし、急に進むと追いつかないのです。自分がどれだけ<えー><あー><まあ>を言っているのか。まったく自覚していないのでしょう。
フィラーは無意識に出るものですが、その原因は自信がないことと、話す内容が決まっていないからです。何を話すのか決まっていないから、そうした不安な思考が声に出てしまうのです。まずフィラーが出ていることに無自覚な人も多いので、まず自覚し、次は話すことを 決めてから声を出す訓練をする。つまり、結局は訓練が必要なのです。
・フィラーが出ない典型的な状態 心(感情・性格):平常心・・自信がある・・ 思考:話す内容が決まっている・・ 声:短く簡潔で歯切れが良い・・(p26)
フィラーを連発する人は、もし面接やプレゼンのような場であれば「頼りない人」「自分の意見に自信がない人」「この人は断言したくないんだな」「自分の意見がないんだな」という印象を与えてしまいます。<あのー><えー>というアナウンサーはいませんので、訓練で話し方は改善するのでしょう。
具体的には、1センテンスを短くすると「思考」がサクサク動くという。つまり、<、>を使わずに話す・・<。>(句点)を使って<間>をつくればいいのです。<間>が怖いという人は、むしろ<間>を入れなければならない、と考えなくてはならないという。アナウンサーは言葉を決めてから声に出しますが、一般の人は「心(感情・性格)」からすぐに「声」に出すので、不安になって、フィラーが入るのです。
一番いいのは録音して自分のスピーチを分析することだという。残念な自分のスピーチを聞くのは、精神力が求められそうです。仕組みが必要かもしれません。高津さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・フィラーを連発する→頼りない→自信がなさそう→仕事を任せられない→ビジネスパーソンとして信頼できない(p37)
・録音したスピーチを聞いて自己分析(フィラーは出ていないか、声は出ているか、内容の筋が通っているかなど。時々でいい)(p174)
・癖になっている可能性が高いのですが、少なくともそれを自覚することが、改善への大きな一歩なのです(p45)
・声が大きい人はフィラーが出ても気にならない・・声を大きく出すことができれば、別にフィラーが出てもいいのかも(p114)
・声と自信は切っても切り離せない・・声が出るようになったから自信がつくのか、自信がついたから声が出るようになるのか・・まずは声を出すことを優先すべきです(p123)
・脳内原稿のつくり方3・・自分の頭の中にあるイメージについて解説するという方法です(p131)
・急に話を振られたり、スピーチをお願いされたとき・・・とにかくトピックを1個・・乾杯の発声でなら・・今日の、最近の、過去の、出会った頃のトピックを、1個でいいのです(p152)
フォレスト出版 (2019-09-06)
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【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
まえがき 「えーあー人間」から脱出しよう!
プロローグ フィラーを生み出す3要素
第1章 なぜ、無意味な言葉が出てしまうのか?*フィラーとは何か
第2章 内面の不安や自信のなさが表に出る理由とは?*「心(感情・性格)」とフィラー
第3章 理性の力で整理してから言葉にしよう*「思考」とフィラー
第4章 自信に満ちた声で雑音を消し去る*「声」とフィラー
第5章 どんな場面でも次々言葉が出てくる! *脳内原稿のつくり方
第6章 目指せ! フィラーなしスピーチ*実践トレーニング
あとがき 前向きなフィラーなら出してOK!
著者経歴
高津和彦(こうづ かずひこ)・・・スピーチトレーナー。 現・ベストスピーカー ・ベストプレゼン主任講師、 株式会社ベストスピーカー教育研究所代表取締役、 服部天神宮学園服部幼稚園理事。DJからレポーター、アナウンサー、キャスター、国際レセプションの通訳・司会、法廷通訳まで、多方面で活躍。関西大学法学部、カナダ・カルガリー大学政治学科を卒業。「次代のアナウンサーはバイリンガルだ」と考え、アナウンサー養成学校、サン放送アカデミーを卒業。さまざまなテレビ、ラジオ番組を経て、ビジネス話し方ワークショップ「ベストスピーカー」を設立。以後、スピーチインストラクターとして 「即、実戦レベルに」をモットーに専門のアナウンス技術を活かし指導を行う。さらに、「通るプレゼン」技術を「ベストプレゼン」講座で教授。すぐれた英語力と交渉術を活かし、英語でのプレゼン指導も精力的に行っている。
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