「ブッダのことば―スッタニパータ 」中村 元(翻訳)
2019/06/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
仏教聖典のなかで最も古いものと言われるスッタニパータの日本語訳です。ゴータマ・ブッダ(釈尊)の教えを弟子たちが簡潔にまとめたものであるという。ブッダが自分の欲望を捨てることを繰り返し説いていることがわかりました。
悪い習慣を蛇の皮を脱ぎ捨てるように捨てなさい、という比喩が印象的でした。欲を捨てられないのが人間なのですが、これが宗教なのでしょう。また、他人と自分を比べて、勝っている、負けていると考えてはいけないとしています。自分を素直に見つめるということなのでしょう。
多くの富を持ち、ひとりだけおいしいものを食べるのは、これは破滅への門としています。心が落ち込むことなく、多くのことに悩まず、こだわることなく、清らかな行いを理想としています。これは、最近の草食男子のようなものなのでしょうか。
能力があり、清く、正しく、言葉がやさしく、柔和で、思い上がることのない者を目指しています。現在の金をもらうことで他人に奉仕することになる資本主義については、自分の利益のみを求める人間は、きたならしいとしています。そうした金と関係のない友は、得がたいものであるとしています。
翻訳の中村さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・悪い習性がいささかも在することなく、悪の根を抜き取った修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである(p13)
・子のある者は子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。実に人間の憂いは執着するもとのものである。執着するもとのもののない人は、憂うることがない(p17)
・信仰あり在家の生活を営む人に、誠実、真理、堅固、施与というこれらの四種類の徳があれば、かれは来世に至って憂えることがない(p45)
【私の評価】★★☆☆☆(66点)
目次
第1 蛇の章
第2 小なる章
第3 大いなる章
第4 八つの詩句の章
第5 彼岸に至る道の章
著者経歴
中村 元(なかむら はじめ)・・・1912-1999。東京大学印度哲学梵文学科卒業。インド哲学者、仏教学者。東京大学名誉教授、日本学士院会員。専攻はインド哲学・仏教学。勲一等瑞宝章、文化勲章、紫綬褒章受章
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