「フェルメール 謎めいた生涯と全作品」小林 頼子

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フェルメール  ――謎めいた生涯と全作品  Kadokawa Art Selection (角川文庫)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■上野の森美術館で開催されている
 フェルメール展へ行こうと思い
 手にした一冊です。


 フェルメールは1632年生まれ、
 日本だと江戸時代前期、
 長崎に出島ができて、
 後に天草の乱がおこる頃です。


 フェルメールは42歳で亡くなるまで
 オランダのデルフトで
 作品を描き続けました。


・若年の一時期をデルフトの外で修行したとはいえ、
 フェルメールは、デルフトに生まれ、
 デルフトに仕事をし、デルフトに没した・・
 より多くの需要の期待できる大都市へと
 移住してゆく他の画家たちをよそに、 
 デルフトに住み続け、描き続け、
 そして初期作品とは全く異なる、
 独自の風俗画を内なる力で熟成させた(p270)


■フェルメールの特長は、
 左から光に浮かび上がる
 写真のような立体的な構図でしょう。


 その被写体の瞬間を
 高解像度カメラで切り取ったような
 透明感を感じるのです。


 同時代の絵画に見られるような
 暗さがないのも好感を感じます。


・《赤い帽子の女》・・・
 フェルメールが使ったことがない
 支持体・板が使われていること、
 しかも下にあった男性像を削り取って
 板を再利用していること、さらには
 女性の顔のタイプが他作品と
 あまりにかけ離れていること・・
 筆者は、同作品を自由翻案した
 後世の模作ではないかと考えている(p163)


■作品が30点くらいと少ないため
 贋作も多いようです。


 私たち庶民はネットで見るだけで
 楽しめますので、
 贋作かどうか推理するのも
 楽しいかもしれません。


 小林さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・フェルメールがかくも愛されるわけ・・
 まずは、作品数が少なく、希少性が高い・・
 何せ30数点しかない・・
 どこかカメラのレンズ越しに見る
 異界に似たところがある(p13)


・フェルメール誕生の1632年といえば、
 オランダが日本と交易を始めるべく、
 はるばる海を渡り、長崎の出島に商館を
 構える9年前のことである(p21)


・フェルメール夫妻には14人の
 子供が確認できる。そのうち
 成人したのは10人あるいは11人と
 推測される(p30)


・1672年のフランスの進攻以降にオランダを襲った不況・・
 妻のカタリーナは、その当時のフェルメールが
 うまく行かぬ絵の売買を苦にし、
 「ある日は元気かと思えば、
 ある日は病気といった具合でした」
 とも証言している・・ 
 43歳という早すぎる死を考え合わせれば、
 何らかの身体的な故障が晩年のフェルメールを
 悩ませていた可能性は十分にあろう(p177)


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■目次

第1章 フェルメールの生涯
第2章 物語画家から風俗画家へ
第3章 洗練、そして完成
第4章 模索の始まり
第5章 都市へ向けられた眼差し



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