「ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み」近藤 宣之
2018/08/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■平成初期、債務超過、倒産の危機にあった
レーザー専門商社の日本レーザーは、
現在安定した経営を行っています。
その秘密は、経営者の覚悟と
社員を大切にし育成しているから。
離職率は10年以上ほぼゼロと
中小企業としては脅威の実績を
残しています。
・『人を大切にする経営』の実践こそ、
会社を再建・成長させる
たったひとつの方法である(p34)
■そもそも日本レーザーは、
日本電子株式会社の子会社でした。
平成初期の日本レーザーは
赤字体質で債務超過。
日本電子の役員である近藤社長が
再建のために派遣されたのです。
近藤社長は、経営管理強化で
黒字化を達成しますが、
幹部社員が有力商品とともに
独立するというトラブルもありました。
近藤社長は、覚悟を決め、
日本電子の取締役を退任し、
さらには親会社から株式を買い取り
独立を果たしました。
独立した原因としては、
親会社からプロパー社員昇進への介入、
社員旅行復活したら叱責される、
など自分の目指す経営ができなかった
ことがあるようです。
・日本レーザーのクレドが、
他社の経営理念と大きく違うのは「2つ」。
1「会社は、社員の雇用と成長の機会を守るために存在している」
2「会社は、社員を幸せにするために存在している」
と明言している点です(p119)
■知ってはいましたが、
経営者によってこれほど会社は
変わるのか!と思いました。
小さい会社は小さい会社なりに
社員を活かし、成果を出していくことが
可能なのですね。
近藤さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「言いたいことが言える雰囲気」があれば、
給料が安くても社員は辞めない(p129)
・業務部・購買グループ・・は
フォワーディングカンパニー
(国際物流を専門とする会社)を見直すときも、
「どこがいちばん安くて、
サービスがいちばんいいのはどこか」を
自分で決めています。
社長の私へは、事後報告です(p97)
・中堅社員には、意識改革と行動改革を目的とした
「自己革新研修」(新経営サービス)と、
プレゼンやファシリテーションなど・・・
幹部社員(部長クラス)は、ひとり当たり
年間100万~200万円の費用をかけて、
「経営者大学」(新経営サービス)や・・
リーダー研修(ベックスコーポレーション)へ
派遣し、マネジメントやリーダーシップを
徹底して学ばせています(p84)
・人員整理と自主再建を通して私は、
「組合が頑張って労働環境を改善したとしても、
経営そのものが間違っていては雇用を守れない」
「すべての元凶は赤字であり、
赤字は社員とその家族の人生を狂わす」
ことを肌身で教えられたのです(p103)
・マルチタスク/ひとりが複数業務や
取引先を担当する・・
「ダブルアサイメント」は、
ひとつの業務を2人で担当する
仕組みです(p178)
・「今週の気づき」では、
「どのようなトラブルがあったのか」
「そのトラブルに対し、どう対処していくのか」を
全社員が報告します・・・
毎週末(原則金曜夜)までに・・・
自分の上司・担当役員にメールで報告する
(ほかの役員や同僚にもCCで同報)(p63)
・「今週の頑張り」は全社員が毎週末(原則金曜夜)までに、
「その週に自分が頑張ったこと」について、
自分の上司と担当役員にメールで報告します
(ほかの役員や同僚にもCCで同報)(p70)
・「よからんは不思議、悪からんは一定とおもえ」・・
「物事がうまくいくのは不思議なことで、
説明のしようがない。
しかし、悪くなったときには必ず原因がある」(p203)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■目次
プロローグ:どんな会社も必ず再建できる!
第1章:23年連続黒字は社員のモチベーションが10割!
第2章:10年以上離職率ほぼゼロ! 人が辞めない仕組みはこうつくる
第3章:なぜ、女性を大切にすると利益が上がるのか?
第4章:どん底から運をたぐり寄せるコツ
エピローグ
特別付録:「人を大切にしながら利益を上げる」問答集