人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

【書評】「アメリカはなぜ日本を見下すのか? - 間違いだらけの「対日歴史観」を正す」ジェイソン・モーガン

2018/07/09公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

アメリカはなぜ日本を見下すのか? - 間違いだらけの「対日歴史観」を正す - (ワニブックスPLUS新書)


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


アメリカはなぜ日本を見下すのか

親日、反日の二人の祖父を持ち、日本、中国、韓国で歴史を学んだアメリカ人歴史家の一冊です。珍しいのは、著者が複数の国で生活し、それぞれの立場での意見を見聞きしながら歴史を研究したのです。


親日の祖父は、負け戦とわかっていても、自分の国を守るために最後まで戦い続けた日本を勇気ある男らしい国として尊敬していました。そうした第三者の視点でアメリカと日本の歴史を学んでいくと、いくつもの疑問と突き当たったのです。


なぜ、日本はアメリカに宣戦布告したのか。
なぜ、アメリカは原爆を投下したのか。
なぜ、アメリカと日本には反米、反日の学者とマスコミが存在するのか。


アメリカは同じ帝国でもイギリスやフランスに対して植民地を手放せと要求したことはない。いや、そもそもルーズベルト大統領本人が、ハワイやフィリピンの支配者だったのだ。それにもかかわらず、日本にむかては「植民地を持つな」と平気で言えるその発想自体こそ絶対主義的である(p74)

アメリカ人は反日に洗脳されている

この本が面白いのは、著者が辿り着いた結論が、社会主義系の人から見れば「ネット右翼」と何ら変わらないということでしょう。


反日活動に協力するのアメリカの歴史学者たち。例えば、反日のダデン教授とサンド教授は、自ら書いた「旧日本軍が組織的に20万人の女性を強制徴用して慰安婦という性的奴隷にした」という声明に187人の学者や活動家に署名をさせ、安倍首相の辞任を要求したのです。


昔からアメリカの大学教授のほとんどは反日であり、例えば、コロンビア大学の日本近現代史家の長老キャロル・グラック教授は、韓国人妻を持ち、慰安婦問題について捏造記事を書いた元朝日新聞記者の上村隆氏を招待してニューヨーク、ロサンゼルスなどの大都市で講演をさせたという。


また、『ザ・レイプ・オブ・ナンキン』は嘘だらけ。著者は、『ザ・レイプ・オブ・ナンキン』について調べ、辻褄が合わない、明らかにおかしい記述を数多く見つけたという。『ザ・レイプ・オブ・ナンキン』がすべて真実であると思い込んでいるアメリカ人は多いのです。


「ジャパン・タイズムズ」も反日偏向メディアです。アメリカ人はこうした仕組みの中で、反日に洗脳されているというのです。


日本叩きの急先鋒であり、恥を知らないジャパンアタイズム誌を徹底的に調査し、実体を暴く・・・その反日活動の裏で流れている「カネとコネ」の実態を白日の下に晒すことができれば面白い(p181)

歴史とは創作されるもの

特定アジアと言われる中国・韓国では、息をするように嘘をつくと言われます。嘘というよりも、歴史とは創作するもの。


例えば、2004年に中国政府が直接運営する孔子学院がアメリカの各大学に設置されはじめました。孔子学院の実態はアメリカ人の大学生を洗脳するためだったのです。中国を批判する教授を解雇するよう圧力をかけたり、教科書や資料について「これは授業に使ってはダメだ」と文句をつけたり、言う通りにしないと資金を止めるぞと脅したりしているという。


都合のよい歴史を作りあげるための歴史戦では、日本もそれを真似したがほうがよいのでしょうか。


ワールド・カップ・サッカーでのルールの範囲であっても、時間稼ぎのようなことをすると批判される日本には限界があるように思いました。


歴史はどのような判定を下すのでしょうか。モーガンさん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言


・原爆投下が極悪な行為であることは一目瞭然だ。でも、自分が生まれ育った大好きな国、愛する家族が住む国、平和に暮らす国がなぜそのような判断を下さなければならなかったのか(p28)


・戦争が始まる前に行ったことも、その「法律」で、所謂「事後法」で裁いたのだ。極東国際軍事裁判は「裁判」という名を借りた復讐であった(p80)


・アメリカの対日歴史観を正すために最初にしなければならないことは、そうした反日機関に対する一切の資金援助を中止することである(p133)


・アメリカはもともとイギリスの植民地だ。しかし、アメリカは、韓国のように宗主国から独立後も内政外交でなんらかの問題が起きるとなぜかかつての宗主国のせいにして、謝罪を勝ち取るまではと駄々をこねるような、幼稚な真似はしない(p142)


・日本国内でも、何があっても日本を責め、謝罪を要求してアジア諸国に慰謝料を払えと声高に叫ぶグループがいる・・・日本人の良さと後ろめたさを逆手に取り、日本を弱体化させようと躍起になっている(p149)


・アメリカの歴史学会ではよくささやかれていることだが、中国の学者や学問は実にとんでもない。歴史のあるテーマを決めると、彼らはいきなり筆をとって自分の説を書きはじめる。さながら小説家である(p154)


▼引用は下記の書籍からです。
アメリカはなぜ日本を見下すのか? - 間違いだらけの「対日歴史観」を正す - (ワニブックスPLUS新書)
ジェイソン・モーガン
ワニブックス
売り上げランキング: 83,362


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次


序章 私が日本研究を始めた理由―先の大戦で戦った祖父から学んだ日本人の精神
第1章 なぜアメリカは日本を見下すのか?―「誤った対日歴史観」が生まれた背景
第2章 反日思想に染まったアメリカの歴史学会―日本研究を通してわかった学会の真実
第3章 アメリカの「対日歴史観」を正す―中国・韓国の歴史認識との相違点、類似点
第4章 日米関係強化に必要なこと―より良好な関係を築くために



著者紹介

ジェイソン・モーガン(Jason Morgan)・・・1977年、アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ。歴史学者。日本史研究者。テネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻後、名古屋外国語大学、名古屋大学、中国昆明市の雲南大学に留学。その後、ハワイ大学大学院で、東アジア学、特に中国史を専門に研究。卒業後は、韓国の慶尚北海英陽郡で英語教師として滞在。再び日本に戻り、翻訳や講演活動に従事。2014~2015年、フルブライト研究者として早稲田大学法務研究科で研究。2015年4月、日本戦略研究フォーラムの定例シンポジウム「『歴史戦』をどう闘うか」に登壇し、「ナチス・ドイツと日本帝国は同類か ―東京裁判史観が偏向する所以―」と題し日本語で講演。欧米社会で定説となっている偏向した歴史認識について糺した。2016年にはウィスコンシン大学で博士号を取得。現在、一般社団法人日本戦略研究フォーラム研究員


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png

人気ブログランキングへ


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本



同じカテゴリーの書籍: