「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」ヘンリー・S・ストークス
2018/06/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
■「フィナンシャル・タイムズ」「ロンドン・タイムズ」
「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長を
歴任した、在日50年のイギリス人著者が伝える
日本人への思いです。
著者は三島由紀夫とも交流があり、
白洲次郎、麻生和子との接点も
あったようです。
イギリス人のロジックからすると
なぜ西欧諸国の植民地に侵攻し、
植民地の独立を支援した日本が
侵略者として非難されなくてはならないのか、
理解できないということです。
さらに、台湾、朝鮮は
植民地というよりも
日本の国土の一部でした。
植民地として搾取するのではなく、
日本と同じインフラを作るために
巨額の投資を行ったのです。
・アジア、アフリカ、オーストラリア、北米、南米を侵略してきたのは、西洋諸国だ。しかし、今日まで、西洋諸国がそうした侵略を謝罪したことはない。どうして、日本だけが欧米の植民地を侵略したことを、謝罪しなければならないのか(p39)
■日本軍はアジアの侵略者で、
現在でも軍国主義になる可能性の
ある国家なのでしょうか。
こうしたイメージを日本国内、
国際的に広めたのは
マッカーサー以降の占領政策が
うまくいった証拠だとしています。
そしてその亡霊は、
現在でも当たり前のように
人の心の中に生きているのです。
・今日、日本の大新聞や、文部科学省、教員をはじめとする多くの日本国民が、占領時代の卑屈な態度が身に沁み込んで、東京裁判史観を受け入れて、占領政治がよかったと信じているから、マッカーサーは大きな成果をあげたといえる・・ウェッブ裁判長はオーストラリアへ戻って隠居した後に、「あの裁判は誤っていた」と、語っている(p75)
■著者と交流のあった三島由紀夫は
自衛隊市ヶ谷駐屯地で自衛隊の決起を促し、
そのまま割腹自決しました。
三島が目指したものは、
天皇を頂点とする日本の国体と
日本人の心を取り戻すことでした。
方法としては稚拙だったと思いますが、
私たちも天皇とは何か、
日本とは何かということを
考えていかなくてはならないのでしょう。
ストークスさん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・大英帝国は植民地を徹底的に搾取することで、栄華を保っていた。お人好しの日本人が、台湾、朝鮮の経営に巨大な投資を行って、本国から壮大な持ち出しをしたのと、まったく違っていた(p47)
・第一次世界大戦の後のパリ講和会議で、日本は人種差別撤廃を提案したのです・・・人種差別撤廃提案が11対5の圧倒的多数で可決されたにもかかわらず、ウィルソン大統領はこの議決を葬りました(p162)
・インドネシアの植民地支配は、1596年にオランダが艦隊をインドネシアに派遣したことに始まります。オランダの350年以上に及ぶ植民地支配に終止符が打たれたのは、1942年の日本軍の進攻によるものでした・・日本は第二次世界大戦でアジアの国々を侵略したとされますが、どうして侵略する国が、侵略された国の青年に軍事訓練を施すのでしょう・・日本はアジアの国々を独立させるあらゆる努力を惜しまなかった(p165)
・韓国人は劣等感を癒すために、日本を苛めて、快哉を叫んでいるが、劣等感はネガティブなものだから、やがてはマイナスに作用する。そのうちに、日本という大切な財産を活用できなくなるだろう。日韓、日中関係を歪めてきたのは、日本が卑屈になって、両国に不必要に腰をかがめてきたことが原因だ(p232)
・日本の「慰安所」・・マッカーサー元帥が厚木に着陸してすぐに、日本政府に要求して開設させた、アメリカ兵のための売春施設は、アメリカ軍によって「リクリエーション・センター」と命名された・・「慰安婦」という表現は、いかにも忌まわしい実体を、誤魔化しているように響く、端から実体を隠しているように、聞こえる。そもそも、日本には、歴史を通して奴隷制度がなかった。まして、女性を「性奴隷」としたことなどなかった(p91)
・私は(フィナンシャル・タイムズの)若い支局長だった。ホテル・オークラに一人で泊まっていた。私が求めたわけではないのに、部屋に会ったこともない女性がいたこともあった。アレンジしたのは、外務省の報道課長だった。しかし、こうした「慣習」は、東京オリンピック後、なくなった(p80)
・「南京」にせよ「靖国参拝問題」にせよ「慰安婦問題」にせよ、現在懸案になっている問題のほとんどは、日本人の側から中国や韓国にしかけて、問題にしてもらったのが事実だということだ(p5)
・初めから、「南京大虐殺」は中国国民党政府によるプロパガンダであった・・・ティンパーリーが中国情報機関からも金を貰っていたことは、間違いないが、いったいどのくらい貰っていたかは、明らかになっていない・・日本人は野蛮な民族だと、宣伝することに成功した。中国人は天使であるかのように位置づけられた。プロパガンダは大成功だった(p105)
・三島の目的は、ノーベル賞ではなかった。天皇の「人間宣言」をはじめ、自衛隊のありかたなど、占領軍が破壊した日本の国体を取り戻すことが、目標だった。占領体制を破壊するためには、クーデターや、革命的な手段を辞さない覚悟だった(p68)
・三島が檄文で訴えたことは・・・戦勝国の占領支配から、歴史ある主権国家として、天皇を戴く国家として、「国体」を取り戻さなくてはならない、ということだ・・出征した日本軍将校が最後には特攻隊となって、現人神としての天皇と国体を守るために、死んだ。私は三島が言葉だけでなく、自らの命を捧げて訴える道を選んだと信じている。命に替えても守るべきものが、あったのだ(p131)
・日本人もユダヤ人と同じように、キリスト教徒から蔑まれてきたという点では共通する。それは優秀な民族だからだ・・日本は日露戦争では白人のロシア帝国に対して勝ち、大東亜戦争では数百年にわたってアジアを支配していた西洋人を、あっという間に追い払ってしまった・・ユダヤ人と日本人はよく似ている。どちらも優秀だから、他の民族から嫉妬され、批判にさらされる(p200)
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【私の評価】★★★★★(90点)
■目次
第1章 故郷イギリスで見たアメリカ軍の戦車
第2章 日本だけが戦争犯罪国家なのか
第3章 三島由紀夫が死を賭して問うたもの
第4章 橋下市長の記者会見と慰安婦問題
第5章 蒋介石、毛沢東も否定した「南京大虐殺」
第6章 『英霊の聲』とは何だったか
第7章 日本はアジアの希望の光
第8章 私が会ったアジアのリーダーたち
第9章 私の心に残る人々
終 章 日本人は日本を見直そう