【書評】「町工場の全社員が残業ゼロで年収600万円以上もらえる理由」吉原 博
2018/01/24公開 更新

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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
残業ゼロにしたら仕事が効率化
「ワイヤーカット 料金」でググると、2番目に表示される「吉原精工」の残業なしで儲ける仕組みです。
これまで吉原精工は、バブル崩壊、ITバブル、リーマン・ショックで倒産の危機に陥ります。リストラで乗り越えましたが、その中で気づいたのは二つのことです。
一つは残業ゼロにしたら仕事が効率化したこと。そして、もう一つは、リストラで協力的ではないベテラン従業員を辞めさせることができて良かったということです。残業ゼロにしたら、仕事が効率化し、ミスも減少し、指示待ち人間も減ったのです。
仕事ができない社員ほど「自分は仕事ができない」という自覚がなく、プライドが高く、変化を嫌う(p83)
仕事を絞り込んで効率化
吉原精工では普通の会社とは違う受注のルールがあります。ワイヤーカット専業で、素材の手配、他の加工はしない。集配・集金はしない。宅急便と銀行振込のみ。営業マンがいない。FAX・DMやネット広告やホームページに金をかける。バックマージン・接待はしない。
仕事を絞り込んで、うまい・やすい・はやいを成立させているのです。
ワイヤーカット加工のみを受注・・商品や代金のやりとりは宅配便や銀行振込で行わせていただく・・集配や集金なし(p173)
仕事を絞り込んで効率化
「営業マンの人件費分を広告宣伝費に回せば、すごいことができる」と営業マンをゼロにしたという。とにかくやってみる、という実行力がすごいと思いました。
やってみて、だめならやめる。良かったら続ける。当たり前のことですが、なかなかできないことだと思います。吉原さん,良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・リストラの基準は「自分から率先して仕事をするかどうか」・・・自分から仕事をしようとしない人は、機械が止まって次の加工の準備が必要な状態になっても、知らんぷりをしたりします(p90)
・吉原精工でいう「プロ」は、図面やデータをもとにワイヤーカット加工機を動かすまでの段取りを20分以内に終えられる人のことです(p95)
・「指値に挑戦!」という宣伝文句を入れたパンフレットを作ってDMで送ったことがありました・・加工業というのは値段があってないような世界です・・お客様に指値価格を提示してもらったことで、私は「どれくらいの価格水準が求められているのか」をつかむことができました(p154)
・「お金は払うからなんとか早くしてほしい」という仕事がはいったとき、工程を何度も見直しますが、最終的に無理な場合は、お断りしています。それは、「お金さえ払えば優遇する」という態度が、先に予約してくださっていたお客様を裏切ることになると思うからです(p202)
▼引用は下記の書籍からです。
ポプラ社
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【私の評価】★★★★★(90点)
目次
序章/吉原精工はなぜ生まれたのか
第1章/その昔、吉原精工は「ブラック企業」だった
第2章/3度の倒産危機を乗り越え「残業ゼロ」へ
第3章/年3回の10連休とボーナス手取り100万円
第4章/吉原流「経営改革とリストラ」
第5章/「自分が嫌なことは社員にもさせない」吉原流経営
第6章/頭の中の99%を占めている「営業」の面白さ
著者経歴
吉原博(よしはら ひろし)・・・株式会社吉原精工会長。1950年鹿児島県出身。高校卒業後、電機会社に勤務。その後、商社や金型製作会社を経て、1980年に同社を創業。2015年より現職。会長職以外にも、全国各地で講演を行っている
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