「虚飾の聖域」太田宏美
2018/01/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
■弁護士会の反日活動や、
「99.9-刑事専門弁護士」に
影響されて手にした一冊です。
著者は、資産家から
財産の遺言執行を受託しましたが、
ごたごたに巻き込まれ
業務停止6ヵ月のペナルティを受けたのです。
■資産家には2億円の資産があり、
2000万円は介護してくれる妹に残し、
残りは実子に残すことにしました。
弁護士費用は1割として2200万円です。
資産家が亡くなると、
介護をしていた妹の弁護士から、
遺言書が見つかったとの連絡がありました。
この怪しい遺言書についても、
遺言書無効の裁判で
勝つことができたのです。
■ところが、今度は実子が介護をしていた
妹に2000万円を支払いたくないという。
さらには、実子は弁護士を立てて
2200万円の弁護士費用も資産家を
騙して奪ったものと弁護士会の
紛議調停委員会(綱紀委員会)の
紛議に訴えたのです。
さらには実子は正式な
2200万円の弁護士費用の
返還の訴訟をおこしました。
・B弁護士はなかなかの策士である・・借金に困って2200万円を勝手に持っていったというストーリーをでっちあげたのだ(p51)
■紛議朝廷委員会では、
著者は「懲戒相当」と判断され、
弁護士活動6ヵ月停止。
訴訟も1700万円を返却で
和解することになってしまいました。
事実はよく分かりませんが、
著者は弁護士会がよく調べてくれず、
業務停止としたことに不満なようです。
弁護士もテレビのドラマように
たいへんな職業ですね。
太田さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・懲戒とは、弁護士会の独自の自浄制度として、問題のある弁護士を処罰する制度である・・除名となると弁護士会からの追放ということになるのだが、弁護士活動をするには弁護士会に属していなければいけないので、実質弁護士としての活動ができなることだと考えていい(p70)
・弁護士会の中にはいくつかの派閥が存在し、その派閥に属さなければ実際の活動はまずほとんどできない仕組みになっている。弁護士会に集まった仕事や人脈、情報は、そこから各派閥のボスに振り分けられ、さらにそこから派閥に集まる弁護士たちに振り分けられていくのである(p102)
・弁護士会、派閥から仕事を紹介されたり、さまざまな便宜を図ってもらう。そしてゆくゆくは自分もまたその派閥、弁護士会での重要なポストや立場に就いたり、それによって裁判所や国といった公的な仕事を得たりして活躍の場を広げていく・・力のある派閥に入ると、懲戒委員会など比較的格の高い委員会に入ることができるのである(p104)
・A弁護士のようにいいところを取って去る弁護士、事件の全体を理解せず、やたら相手を脅すC弁護士のような弁護士がいるにもかかわらず、最後の最後まで仕事をした弁護士が懲戒処分を受ける、どう見てもそれが正義などと到底いえないのではないか(p145)
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
目次
序章 聖と俗と―弁護士はきれい事だけではすまされない
第1章 それはある高齢資産家のドロドロ財産争いから始まった
第2章 懲戒処分を受けて初めて見えた「弁護士会」の姿
第3章 世間とかけ離れた弁護士たちの恐るべき「常識」
第4章 訴えられて見えた「弁護士のあるべき姿」