「開発戦略は「意思決定」を遅らせろ!画期的メソッド「リーン製品開発」」稲垣 公夫

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開発戦略は「意思決定」を遅らせろ! ─トヨタが発想し、HPで導入、ハーレーダビッドソンを伸ばした画期的メソッド「リーン製品開発」

【私の評価】★★★★☆(86点)


■トヨタの製品開発を
 定型化した一冊です。


 トヨタでは、いろいろ実験し、
 その特徴を把握してから
 製品を設計するらしい。


 つまり、課題への対策案をすべて出し、
 実験を基にその対策案を比較・検討し
 結果を見える化し、方針を決定するのです。


 この本では、
 このトヨタの製品開発を
 リーン製品開発と呼んでいます。


・リーン製品開発・・
 「開発初期に多数の案を並行して検討する」
 「最初は製品の仕様を厳密に決めない」・・
 つまり"意思決定"をできる限り遅らせる。
 一見すると非効率だが、結果的に
 開発全体の効率は高まるのである(p3)


■トヨタのハイブリッド車の開発でも、
 まずすべてのハイブリッドの方式を並べて、
 それらを比較・検討したうえで、
 現在の動力分割式のハイブリッドを
 選択しているらしい。


 最初はできるだけ選択肢を広げて、
 それを現物・現実で比較・検討する
 ことで、手戻りがなくなるのですね。


 もちろん最初は大きな労力がかかりますが、
 後になって設計変更の可能性がなくなり、
 結果して効率的は製品開発となるのでしょう。


・当社の開発では、後半にさしかかった時点で
 不具合が生じ、手戻り、つまり
 設計のやり直しが生じることがしばしば・・・
 たくさんの代替案を同時並行検討するほうが、
 一つの案に絞り込んで設計するより効率的だ・・(p75)


■最初に手を抜かないことだと
 思いました。


 最初にできるだけ多くの選択肢と
 現実に沿った判断ができていないと、
 最後になって戻るに戻れない悲惨な状況となる
 可能性があるのです。


 稲垣さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・端的にいえばセットベース開発とは、
 『いろいろ試してから設計する』とか
 『あれこれ学習してから設計する』
 方法といえます(p88)


・ウチの会社は、開発日程をプロジェクト
 管理者が立てて、
 それを開発者に押しつけてたんっすよ・・
 リーン製品開発では、自分で立てた計画を
 自分で死守するという姿勢が
 開発者に求められるんです(p67)


・生産部門では『目で見る管理』を使ってますけど、
 これが開発、とくに進捗管理に
 応用できると思ってます。何しろ、
 われわれの開発の悪いところは、
 納期が決められても、必死に守ろうという
 意識がほどんどないことやと思います(p43)


・丈夫な素材を使えばコストが高くなる・・
 相反する関係をグラフにすると、
 たいてい曲線で表されます・・
 このトレードオフ曲線を見ながら、
 営業やマーケティングは顧客の立場から、
 生産技術は製造設備や工法の観点から、
 また製造部門はつくりやすさという
 観点から代替案を評価し、その中で
 問題点がある案を落としていきます(p78)


・毎週月曜日に朝、開発チーム全員が
 この管理板の前に集まる。そんで、
 立ち会議をしながら、この先、
 二週間の計画を30分以内に立てます。
 そしたら、それぞれの作業ごに
 ポストイットを一枚用意し、そこに担当者名、
 完了予定日と作業内容を書いて
 開始日のマス目のところに貼るんです(p45)


・『設計作業の小ロット化』というのは、
 たとえば、これまでは図面を何週間分も
 作成したあとにまとめて検図(チェック)
 してたでしょ・・代わりに、
 二週間に二回、検図をする日を決めて、
 ベテラン設計者が図面を承認する方法にした(p57)


・典型的は問題解決A3の流れ・・
 報告書のテーマ・・背景・・現状・・
 目標・・根本原因分析・・対策・・
 効果の確認・・フォローアップ活動(p131)


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稲垣 公夫

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【私の評価】★★★★☆(86点)

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■目次

第1部 開発革新を成し遂げた、あるメーカーの物語
第2部 「開発革新」を実際に進めるには
第3部 リーン製品開発の導入事例



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