「パットの神髄」青木 功
2018/01/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
「パットはだれにも負けない」という青木功さんの一冊です。パットの神様はどんなことを考えながらパットを打っているのだろう、と読み始めました。
パットの練習は30メートルのロングパットからはじめる。そしてだんだん距離を短くして、テークバックとパットの感覚を合わせていくらしいのです。
・私がラウンド前にパットの練習に費やす時間は約40分。毎日、必ずそれだけの時間はパッティングにかける。練習を終えるころには、グリーンが私になじみ、やさしく語りかけてくるのを実感する(p21)
青木さんのパットの神髄は、ラインに迷ったら、まっすぐに打つことです。迷うくらいだから曲がるのかどうかわからない。だったら、まっすぐに打てばまっすぐ入るということなのでしょう。青木さんが迷うくらいだから、ほどんどまっすくなのです。
また、1.5メートルのラインは、よほどの傾斜や芝目がない限り、まっすぐと読んで打っていくという。でも、プロでも、1メートルのショートパットが入る確率は7割くらい。1メートルのワナにはまらないためには、自分のタッチよりひと転がり分だけ強めに打っているという。だから、オーバーはしても、ショートはしないのです。
・ラインに迷ったら、よけいなことを考えず、直線に近いほうを選ぶことだ。これは、「青木のパット作法」の神髄(p70)
そして、最後は、パットは絶対にショートさせない。ショートしたパットは絶対に入らないからです。それは自分との勝負だという。もし、パットがショートし始めたら、プロを引退するつもりだという。
アプローチでは、まず、パターで打てないかを考えるなど、アマチュアと同じような視点でもあることがわかりました。パターでダメなら5番アイアン、5番が使えないなら6番アイアンというふうに、ボールを上げることより、とにかく転がすことを優先していく。簡単なほうを選んでいるのです。
30冊くらいゴルフの本は買いましたが、ご紹介するゴルフの本はこれが初めてです。青木さんのプロ魂が伝わってきました。青木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「インパクトで終わり、フォローはあくまでも結果」というのが、私のパットからドライバーまでの理論だ(p41)
・カップ手前1メートルが、もっともボールの曲がりを左右する・・そこで私は、カップにもっとも近いところの傾斜や芝目から順に、ボールの位置までをチェックし、自分のラインを判断する(p51)
・濡れたグリーンで「ヘッドアップすると負ける」・・顔が上ってしまうということは・・インパクトがピシリとした点でなくなり、ゆるやかな線になってしまう。これでは、ますます球速は弱くなり、ショートしてしまう・・(p109)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
タッチのつかみ方
ベント芝の読み方
コーライ芝の読み方
短い距離の読み方
長い距離の読み方
傾斜の読み方
順目・逆目の読み方
「春・夏の芝」の読み方
「秋・冬の芝」の読み方
「悪天候のグリーン」の攻め方
「平地グリーン」の攻め方
「山岳コースのグリーン」の攻め方
「周囲の状況」のとらえ方
「人の動き・プレイ」のとらえ方
「芝の借り方」の見抜き方
「手入れの状況」の見抜き方
「足の感触」でスコアを縮める法
「芝」を知ってスコアを縮める法
著者経歴
青木功(あおき いさお)・・・1942(昭和17)年、千葉県我孫子市生まれ。プロゴルファー。1964年にプロ入り。1971年関東プロで初優勝。1978年には世界マッチプレー選手権に優勝し、1980年、全米オープンではジャック・ニクラスと伝説の名勝負を繰り広げ2位となる。1983年にはハワイアンオープンで、最終18番ホールでの〝奇跡のチップイン・イーグル"を成し遂げ、日本人初のアメリカPGAツアーでの優勝を果たした。以後、世界4大ツアー(米国、日本、欧州、豪州)を制覇。通算85勝。国内賞金王5回。ゴルフ界での多くの偉業を称えられ、2004年に「世界ゴルフ殿堂」入り。2008年、紫綬褒章を受章。
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