【書評】「いつも怒っている人も うまく怒れない人も図解アンガーマネジメント」戸田久実
2017/12/29公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
いかに相手に自分の気持ちを伝えるのか
アンガーマネジメントとは、アンガー(怒り)を制御すること。「怒り」に支配された人は、一歩間違えば、カラオケコントローラーで人を殴ってしまうのです。
殴らなくても、その悔しさや寂しさといった気持ちを相手に伝えることはできるはずなのです。いかに効果的に、相手に自分の気持ちを伝えるのかが、アンガーマネジメントなのでしょう。
怒りは自分の気持ちを伝えるための伝達手段(p48)
自分の感情のパターンを理解する
人は、自分を否定されて悔しかったのか(自己重要感の減少)、反発する部下を許せなかったのか(自己重要感の危機)、年下上司にイライラするのか、それさえ理解していことがあります。
自分の感情がわからなければ、自分の感情をどう表現するのか、考えることはできないのです。
もし、自分の感情のパターンがわかれば、そのとき自分はどうするのか、どういった表現で相手に伝えるのか、練習することができるのです。
例えば、「怒る」「怒らない」の境界線を明確にすることができます。自分にとって何がOKで何がNGなのか、境界線がはっきりしていると、「私は〇〇を大切にしています」ということを相手に伝えることができるのです。
怒りの原因を、何か、誰か、出来事のせいにする人がいます。でも、原因はそこにありません。怒りの原因は、「自分自身のゆずれない価値観=べき」からきています(p76)
自分の考えを相手に伝える
怒りは、決して悪い感情ではありません。心と身体の安心や安全が脅かされそうになったときに、人は怒りを感じるのです。怒りは身を守るための感情なのです。
この本では、自分の感情を抑えるのではなく、相手の意見を受けとめたうえで、自分の考えを相手に伝えることを推奨しています。「そうだよね、わかるよ」からのアサーションです。
伝え上手な人は、率直に正直に表現するという。「そう言われると、正直なところ、私も戸惑っちゃうな」という具合です。
また、相手の意見を受けとめるのもうまいのです。「〇〇さんはそう考えているんだね。私はそれに対してこう思っているのだけど、どうかな?」「代わりにこういう案もあるけど、検討してもらえないかな?」という具合です。
怒りをただぶつけてもケンカになるだけですし、相手に伝えなければ、伝わらないのです。黙っていれば、さらには相手が自分を舐めてかかるかもしれないのです。
戸田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・あなたは、バカにされて「なんだと!?」と怒りを覚えたことがありませんか。怒りをバネにして何かを達成したことがある経験が、一度はあるのではないでしょうか(p73)
・人は3つのタイプに分かれます。
・攻撃的なタイプ・・相手を抑えて自分を通す
・受け身なタイプ・・自分を抑えて相手ばかり立てる
・伝え上手タイプ・・自分の意見も伝え、相手の意見も受けとめる
あなたはどのタイプにあたるでしょうか?(p104)
・言いたいことをはっきりさせるときのルール
1 一番言いたいことを1つ決める
2 こうしてほしい+理由を伝える
3 感情的にならずに伝える(p119)
・叱るときの基準をはっきりさせるときのルール
1 そのときの気分によって変えない
2 人によって変えない
3 関わる人たちの間でルールを共有しておく(p121)
・怒りを記録する・・
効果
・書くことでクールダウンできる
・どんなことで怒りがわくのか、傾向や特徴がわかるようになる
・自分の怒りの元である「べき」がわかるようになる(p133)
・怒りが長引くタイプの人は、過去や未来に思考が飛びがちです・・そこで、過去や未来に思考が飛んでいる自分に気づいたら、「いま、ここ」に意識を戻します(p158)
かんき出版
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
Part1 アンガーマネジメントってなんだろう?
Part2 怒りにはどんな特徴があるの?
Part3 怒りはこうとらえよう
Part4 怒りはこう扱おう
Part5 怒りがわいたときの対処法
著者経歴
戸田久実(とだ くみ)・・・アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。立教大学文学部卒業後、株式会社服部セイコー(現 セイコーグループ株式会社)にて営業、その後音楽業界企業にて社長秘書を経て2008年にアドット・コミュニケーション株式会社を設立。研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任し、登壇数は4,000 回を超え、指導人数は22 万人に及ぶ。その実績による豊富な事例やアンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーション、アドラー心理学をベースにしたコミュニケーションの指導には定評がある。
安藤俊介(あんどう しゅんすけ)・・・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダー。新潟産業大学客員教授アンガーマネジメントコンサルタント。1971年群馬県生まれ。企業、教育現場にある怒りの問題を解決する専門家。
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