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「自分イノベーション」夏野 剛

2017/11/29公開 更新
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自分イノベーション


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

■NTTドコモで「iモード」を立ち上げ、
 ドワンゴ、セガサミー、グリーなど
 多数の企業で取締役を兼任している
 夏野さんの一冊です。


 著者が言いたいのは、
 世の中が変わっているのに
 日本は変われないということ。


 グーグル、アップル、アマゾン、テスラといった
 多くのIT企業が生まれた米国との差が
 よほど悔しいようです。


 こうなれば、自分が革新を進めていく・・
 つまり「自分イノベーション」で
 日本を変えていくしかない、
 ということです。


・テスラのクルマは、こうした機能を取り入れ、手元のタッチパネルでグーグルマップを操作できるようになっています・・最初からクルマの一部として取り入れているのです。もちろん、インターネットラジオも同じように操作して楽しめます(p90)


■どうして日本では米国のように、
 世の中を変えるようなサービス・製品が
 出てこないのか。


 夏野さんの仮説は、
 日本の企業では革新的なリーダーが
 偉くなることはないということです。


 保守的な組織においては、
 将来性のあるリスクのある人よりも
 組織の秩序を守る人が
 会社の代表となるわけです。


 NTTでドコモで「iモード」を立ち上げた
 夏野さんの仮説は説得力がありますね。


・均質的な組織からは、排他的なリーダーしか生まれません・・こうして選ばれたリーダーは、無難な判断しかできません。将来性よりも現在の秩序を守るようになってしまう。社会が変わっていることを認識していても、目先の論理として会社の保身を優先してしまう。なぜなら、それが社員の総意であり、そちらを優先しなければ自分自身の保身も危うくなるからです。結果的に、環境の変化に追い付けなくなってしまう(p55)


■「バック・トゥー・ザ・フューチャー」で
 予言されていた未来は、
 多くの米国の企業により現実化
 されました。
 (トランプ大統領も現実化された)


 それらの製品では日本製の部品が
 使われています。だから、
 日本でもできないはずがない。


 夏野さんには日本の未来が 
 見えているようです。


 夏野さん
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・従来電話による選挙活動は認められていましたが、電子メールによる選挙運動は禁止されてしまいました・・ただし、LINEやフェイスブックを使うのはOK(p27)


・「タイプC]と呼ばれる「FeliCa」をJRが採用しました。「Suica」や「PASMO」はこのタイプCを採用・・2016年に発行が開始された「個人番号カード(マイナンバーカード)」に採用されているICチップは、依然、タイプBのままです(p98)


・2014年。やっと一般大衆薬のネット販売が許されるようになりました。しかしながら、10兆円といわれる医療用医薬品市場の約7割を占める処方薬のネット販売は、事実上禁止されました・・患者は体調の悪い中病院に行って、長い時間待たされ、さらに病院の前にずらずらと並ぶ薬局に寄って、そこでもまた待たされるのです(p28)


・テスラのクルマでは、大体1カ月半に1回、ソフトが自動でアップデートされます。こうした仕様のクルマを作ることが、日本のメーカーでも可能なはずです。しかし、なぜ作らないのか。某自動車会社の幹部の方に聞くと、「ソフトを更新するディーラーの仕事を奪ってしまうので・・」と言われてしまいました(p92)


・新しいものが生まれることや、それが流行することには、必ず何らかの理由があります。だからこそ、「とりあえずやってみよう」という心構えが大切です(p114)


・あらゆる業界において、「卵が先か、鶏が先か」というような議論がなされています・・そのようなときに大切なのは、最初の1回転をいかに上手に回すかです。戦略パートナーを見付けたり、資金をギャランティしたり、とにかく最初の1回転を早く、大きく回すことに最大限注力します。そのことによって、次のサイクルが生まれてきます(p103)


・不平不満があるということは、そこに問題点や課題を見出しているということ・・イノベーションを起こすことができる人は、そこで、「この問題を解決することによって世の中はもっと良くなる」と発想します(p118)


・「もし俺だったらこうするのに」、「もし私だったらどうするだろう」という夢を持ちましょう(p180)


・35歳、40歳を超えたとき、自分がデシジョンメークできない仕事は、早く見切りを付けるべきです(p197)


・長期戦略上の人脈だと思う相手には、プライベートもさらけ出して、戦略的に深い付き合いをするべきです。例えば、自宅に年賀状を出す・・ほかにも、用事がなくても1年に1回は一緒に食事をする、「顔を見に来ました」と会いに行く、あるいはSNSでつながっておく、といったことも意識的に大事にすべきです(p203)


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【私の評価】★★★☆☆(76点)



目次

第1章 IT革命は何を変えたのか
第2章 複雑な市場を分析する5つのコンセプト
第3章 分析力を育てるための思考術
第4章 イノベーションを生み出すためには
第5章 生き方に重なる働き方


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