「知られたくないウラ事情「不都合な真実」世の中の仕組み&カラクリ」神樹兵輔
2017/10/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
利権の巣窟
コンサルタントが教える業界の裏事情です。テレビ、新聞では報道されませんが、本を読んでいる人なら知っている内容を集めています。
例えば、宝くじは「利権の巣窟」です。「全国自治宝くじ」は、国の総務省所管の100以上の公益法人・団体がぶら下がり、これらに総務省OBが100人以上天下りして、高給をもらっているのです。競輪とオートレースは経済産業省、競馬は農林水産省、競艇は国土交通省、パチンコは警察庁と利権には胴元がいるのです。
また、森友学園が国有地を格安で払い下げてもらいましたが、実は新聞社も同じことをしています。東京の皇居前の大手町には新聞社の巨大なビルが建っていますが、この土地を新聞社がどうやって手に入れたのか調べてみるべきです。
都心の一等地にあった国有地を、5つの新聞社がそれぞれ格安価格で譲られて本社屋を建てたり、新聞社系列のキーテレビ局には格安で電波を供与されたり、政府や自治体丸抱えの記者クラブを併設されるなどすれば、それは癒着であり、報道の自由は機能しない(p25)
商品の原価
商売をしている人ならわかると思いますが、サービスの原価(材料費)というものはごく少ないものです。例えば、大口電気料金でいえば燃料費は50%くらいでしょう。飲食店であれば、材料費はせいぜい30%。化粧品なら数%ということもあるわけです。人件費や設備投資を考えれば、利益を出すためにはそうなってしまうわけです。
化粧品も原価が安いことで有名で、定価3000円の化粧品の原材料費は30円ということも普通なのです。そして、化粧品業界は、OEM生産(相手先ブランドの製造)が主流なので、外注すればだれでも自分ブランドの製品を作ることができるのです。アウトレットモールで4割引き、5割引き、あるいは7割引きで売っても利益が出るのは、高級ブランド商品は、もともと原価が1割~2割だからです。
プロパンガス利用者は、都市ガス利用者よりも2~3倍も高い料金でぼったくられているケースが少なくない(p137)
業界の闇
私の知らない情報としては、テレビでおなじみの「過払い金取り戻し」のバブルは終了しており、現在はボケ老人を抱える家族に「遺産の独り占め」を推奨する悪徳弁護士ビジネスが広がっているという。本当なのかどうか調査をしたいと思います。
また、土地を持っている人に「30年間一括借り上げするから安心」とばかりに宣伝して(サブリース契約)、アパートやマンションを建てさせる建設会社や不動産業者が多いという。しかし、一旦アパートを建てさせてしまえば、修繕は高額な担当業者に任せないと、解約される特約が付いており、家主がサブリース契約を解約するように仕組まれているというのです。
このようにいろいろな業界には闇もあるようですが、単にを批判するよりも、その歪みを是正できれば、新しいサービスが生まれるように思いました。そうした視点で読みたい一冊でした。神樹さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・日本の生命保険料は、欧米の同内容の商品と比較しても、2~3倍高い・・「補償」に回る「純保険料」は、たったの35.2%しかありません(p89)
・高血圧基準値・・日本では、一時期「130未満」が基準値となっていたものの、現在では、高齢者が血圧を下げ過ぎると転倒して骨折を招く恐れがあることから、概ね140未満を目安とする治療が先進国では主流になっている(p142)
・都道府県議は年間約2000万円、市議会議員は年間約850万円、町村議員は450万円・・(政務活動費含む)・・外国の地方議員は「名誉職」で・・ボランティアで議会に参加しています(p53)
ぱる出版
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
お受験―学力や知力が通用しない時代がやって来る!?
宝くじ―配当金50%以下、本当に儲かっているのは誰?
忖度報道―政権癒着で真実が隠される!
中国産―はびこる「毒まみれ食品」の恐怖!
危ない食品―横行する奇怪な加工・替え玉食品
監視社会―恐るべき個人監視・恐怖支配への道
職業議員―世襲ボンボン議員が政界を跋扈する!
痴呆議員―「怠け者の楽園」と化している呆れた実態!
政治とカネ―見返りのない政治献金を出す人っている?
老後破産―現役サラリーマンの9割が貧困老後になる!?
著者経歴
神樹兵輔(かみき へいすけ)・・・1954年生まれ。経済アナリスト、投資コンサルタント。1980年代の20代から会社勤めの傍ら、株式投資や不動産投資をスタートするも、1990年代のバブル崩壊で1億2000万円の借金を背負う。その後、会社勤めと副業で、10年で借金を完済する。安定的にコツコツ稼ぐスイングトレードスタイルの投資手法を実践する。現在では、純資産5億円をベースに、投資のリターンを得ながら、執筆活動やコンサル、編集プロダクション業務にまで手をひろげ、趣味の海外行脚も楽しんでいる。 富裕層向けに「海外投資・懇話会」を主宰。金融・為替・不動産投資情報などを提供している。
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