「出る杭を育てる時代」横田 宏信
2017/10/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
■ソニー出身のコンサルタントが教える
「出る杭」になる教育です。
「出る杭」とは、
全体最適を考える人です。
普通の人は今の所属や
自分の立場で考えます。
つまり部分最適になります。
普通の人から見ると
部分最適を考えない人は、
変な人なのでしょう。
・「全体最適を重んじる人間」は、
「部分最適を重んじる人間」にとっては
「奇人」「変人」(中略)「火星人」
であってもおかしくない(p20)
■例えば、研究所であれば、
研究をしていればいい・・
これが部分最適です。
「この新規事業は研究ではなく、
事業開発だから主管部がやるべきだ・・」
という主張をする人もいますが、
これこそ縦割りの弊害です。
つまり、そもそも組織とは
仕事を効率的に実行するためにできたのであって、
必要があれば組織やルールを変えればよい。
組織ができて時間が経つと、
その本質が既得権益とあいまって
わからなくなってしまうのですね。
・この業務はウチらの仕事じゃない、
とかこれは〇〇さんの仕事だから、
という文言は典型的な内輪のやりとりだ。
本来は、今、目の前にある仕事に対して
最も高い生産性を発揮できる部署が
やればよいだけの事・・(p166)
■アップルはソニーになりたかった・・
という言葉が印象的でした。
そして今は、ソニーが
アップルになりたがっている。
企業とは一人の変人から作られ、
変人の消滅によって
企業も消滅する可能性があるのですね。
横田さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・かつてのソニーのような会社に
アップルがなることを望んでいた
スティーブ・ジョブズの言葉に
「ハングリーであれ、愚かであれ」
がある(p83)
・「全体最適」を重んじるということは、
裏返せば「部分最適」を
軽んじるということだ(p30)
・私は、ビジネスマンの1%を「出る杭」=
T字型人間に、30%をそのサポーターと
なりうるI字型人間に育てることを
提案したい(p49)
・夢には稼ぐ力がある。
そして、夢を語るのにお金はかからない。
だから、経営者は、大いに
夢を語るべきなのだ(p121)
・ビジネスとは、社会貢献なのだ・・
これもまた「当たり前」のことである。
しかし、このことに忠実であろうとする
企業は、ごく稀だ(p129)
・受講生に、私は言う。
「あなたは、何屋でありたいか」(p132)
・井深さんはよくお一人で社内をブラブラされる・・
一つだけ、言葉をかけてくださった。
「仕事、楽しいですか?」(p135)
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【私の評価】★★★★☆(80点)
■目次
第1章 「出る杭」を育てる時代
第2章 「出る杭」は、こう育てる
第3章 「出る杭」に育った者たちの声
第4章 ソニーよ、「出る杭」精神を取り戻せ