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「将軍様の錬金術―朝銀破綻と総連ダークマネー」金 賛汀

2017/08/15公開 更新
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将軍様の錬金術―朝銀破綻と総連ダークマネー (新潮新書)


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


■核実験とICBM開発で
 アメリカ、日本を恫喝している
 北朝鮮の開発資金は
 どこから来たのでしょうか。


 朝鮮系在日二世ジャーナリストの
 著者に聞いてみましょう。


 北朝鮮で思い出すのは、
 2000年代の破綻した朝銀信用組合への
 1兆円を超える公的資金投入です。


 なぜ、これだけの資金が焦げ付き、
 公的資金で保護されたのでしょうか。


・総連中央の意向に逆らった朝銀理事長が解任されたという噂が全国の朝銀に広まり、それが書く朝銀への大きな圧力として、総連中央の要求する融資は断れない、という流れを作っていた(p160)


■そもそも朝銀信用組合は、
 在日朝鮮人のために
 設立された金融機関でした。


 しかし、1980年代後半に朝銀が
 朝鮮総連に加盟し、
 総連が朝銀の人事に介入し、
 朝銀は総連の資金源と
 なってしまいました。


 朝銀は他の金融機関と同様に
 担保を基に融資していましたが、
 担保の何十倍もの不正融資、
 不正な寄付が行われていたのです。


・大阪総連本部の委員長だった李何某が1980年代初期、総連本部の運営資金に困ると、商工人に融資の口利きをして、その謝礼に「寄付」を受け組織運営資金にしていたというが、これらの融資を受けていた企業の多くがバブル崩壊と共に倒産し、やがて大阪朝銀破綻の遠因になっていった(p163)


■朝鮮総連は、さらに在日からの
 北朝鮮への献金を
 強化していきます。


 在日朝鮮人、日本人とも
 北朝鮮にうまく金をむしり取られた
 ということなのでしょう。


 金さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・協議の結果、総連内に「朝鮮労働党政策学習会」を造ることが承認された。これが「学習組」と呼ばれることになる。建て前は日本共産党の顔を立てた上での、朝鮮労働党の政策学習会ということであるが、実態は朝鮮労働党の日本分局として機能させることだった(p33)


・朝銀愛知では同胞のための融資という堅実経営をモットーに、誠実に信用組合経営を心がけてきた理事長が、1986年、総連本部の指示に従わないという理由で、突然実権のない常任顧問に格下げされ、総ての実務から遠ざけられた。後任に許副議長のイエスマンである人物が、理事長として中央から派遣され・・(p43)


・帰還者に在日の親族に手紙を出させ「献金」を訴えさせたり、短期訪問で北朝鮮を訪れた肉親に「自分の働いている事業所に献金してくれれば、事業所の幹部になれる」と懇願をさせるのである(p98)


・金日成勲章は1972年に制定され、北朝鮮経済が困難に陥った後の1980年代には10億円以上の「献金」をした在日の商工人に与えられたが、1990年代に入ってからは価値も下落し、数億円でも授与されるようになったといわれている(p147)


・1998年現在、朝鮮新報社はその社屋を担保に86億円の融資を受けていたことが判明している・・古ぼけた5階建てのビルで評価額は10億円にも満たなかったであろう(p168)


・朝鮮総連施設について、それを公共施設として固定資産税などを免除してきた東京都が、拉致問題に対する北朝鮮への非難やバッシングが高まる風潮に便乗し、2003年7月、課税通告をしてきた。朝鮮総連はそれまでの慣例を一方的に破る不法行為だとし、納税を拒否。東京都は朝鮮総連が要請した審査請求でも、これを破棄し、9月に中央会館などを差し押さえた(p237)


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【私の評価】★★☆☆☆(68点)


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■目次


1 朝銀の設立と崩壊
2 北朝鮮の経済破綻と在日資産への触手
3 北朝鮮への献金
4 朝鮮総連の「商売」と「9月マルスム」
5 投機資金調達と朝銀の蛮行
6 バブル崩壊と朝銀の破綻地獄


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