「折れる力 流されたほうがうまくいく」吉田 照幸
2017/01/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
NHKで「あまちゃん」の演出を担当した吉田さんの一冊です。吉田さんは、もともと自分の意見を通すために怒鳴る人だったそうです。しかし、怒鳴るのではなく、相手の意見を聞くようになったら大きな仕事に恵まれるようになったらしいのです。
それまでは当初考えた「こうしたい」という思いを実現するために無理していたのですが、今では思いを失わないようにしつつ、自分のやり方にこだわらないのだという。著者は、「折る」前に一回棒は立てるという表現をしています。
・吉田さんが一度も怒鳴らなかったことに驚きました。・・また怒鳴られると憂鬱でしかたがなかったんですよね(p106)
つまり相手の意見を採用する。自分の意見を折らずに、立てることで、「個性がある」と言われるようになりました。衆知を集めるようになったら作品も良くなり、周囲に認められるようになったのです。
知恵のある人とは、人の知恵を活用する知恵を持っている人なのです。人の力を借り、人を巻き込んでいける人が、組織の中では成功するのでしょう。
・成功する人は、色んな人の力を借りたり、巻き込んだりしていって、それを自分の作るものに集約していきます(p89)
どこまで自分の意見を通すのか、どこまで相手に任せるのか。管理職なら悩むことだと思います。著者が、「相手を褒めたり認めたりするような嘘は、どんどんついたらいい」と言うように、人間関係では嘘もありなのです。
自分のやれることに限界がある以上、部下の能力を引き出す人がうまくいくのでしょう。吉田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・想定した大道具が使えない!だからいいシーンが撮れた(p42)
・「制約」があるからこそ、おもしろいものを作れる(p50)
・不思議なことに、こちらがよかれと思ってやったことによって、反転してしまうんです。嫌われたくないと思ってとる行動が、得てして嫌われてしまう結果になりやすい(p131)
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【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
1章 折れる力がなぜ必要か
2章 「環境」に折れると、おもしろいアイデアが出てくる
3章 「他人」に折れると、意見も通りやすくなる
4章 「自分」に折れると、未来につながる仕事ができる
5章 それでもやっぱり折れてはいけないこと
著者経歴
吉田照幸(よしだ てるゆき)・・・1969年、福岡県生まれ、山口県育ち。1993年NHK入局。NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー。「のど自慢」「小朝が参りました」などエンターテイメント系の番組を中心に活躍。広島放送局を経て番組開発部移動後、2004年に「サラリーマンNEO」を企画、以後全シリーズの演出を担当。型破りな番組として人気を博す一方、タニタの社食、Google本社を日本のテレビ番組として初潜入、コントに日産のカルロス・ゴーン氏を引っ張り出すなど、話題となった。2011年には「劇場版サラリーマンNEO(笑)」の脚本・監督を務める。第35回・36回国際エミー賞コメディ部門ノミネート(日本では唯一)。2013年春からは、異例の"レンタル移籍"で、連続テレビ小説「あまちゃん」の演出を担当。近年は「となりのシムラ」「洞窟おじさん」「富士ファミリー」「獄門島」など、コント番組、コメディ、ドラマと制作に携わる。2016年11月公開 東野圭吾原作100万部突破「疾風ロンド」映画版の監督を務める。
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