「若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録」加藤 順彦
2016/12/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
日本人も海外で一旗揚げて凱旋してほしい
タイトルの『ウミガメ』とは、海外で起業し、中国に凱旋する人たちを中国では、そう呼んでいるらしい。著者の思いは、同じように日本人も海外で一旗揚げて凱旋してほしいということです。現在、加藤さんは、事業を売却して、シンガポールでベンチャーキャピタルとして活動しているのです。
なぜ、25歳の著者のつくった会社が儲かったかというと、大手の広告会社はエロいツーショットの広告をやらなかったからだという。大手は守るべきものが多すぎて、革新的な新しい仕事に取り組むことが難しいのです。また、ネット広告は、Yahoo!のトップページの広告でも50万円にしかならない時期で、億単位で考える電通にとって50万円の枠というのは、取り組む価値がなかったのです。
・皆さんは若いんです。失敗しても別になんてことないんです・・・迷ったら、ワクワクする方を選んだらいいんです(p159)
時代の流れに乗れば、バカでも事業はうまくいく
著者はバブルの1990年代からダイヤルキューネットワークや、インターネット広告の日広を立ち上げました。その経験から、時代の流れに乗れば、バカでも事業はうまくいくと確信し、その国家の成長期がまさに今、アジアで起きているのです。
ベンチャーにとって、新しい商売をつくるときに大事なのは、成長の尻馬に乗ることであるという。伸びる業界を見つけるということが一番大事だという。
・日本で売れているバイクの台数というのは、年約15万台ほどなのですが、インドネシアでは約800万台(p146)
著者が日広(NIKKO)を売却したのは、2006年のライブドアショックによりインターネット広告の仕事が半減したためらしいのですが、冤罪とも言えるような事件の余波で事業を売却することになろうとは、本当に残念だったようです。加藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・なぜたくさんの会社をシンガポールでつくっているかというと、"量"がないと1個が生まれないからなんです(p163)
・メガトレンドを正しく解釈していることと、その人が事業を通じてどんな価値を産もうとしているか、というのを見て投資しています(p182)
▼引用は下記の書籍からです。
ゴマブックス (2016-12-01)
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【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 環境が人間を創る
第2章 成長の尻馬に乗るということ
第3章 アジアのウミガメを創る
質疑応答
著者経歴
加藤順彦(かとうよりひこ)・・・ 1967年生まれ。大阪府豊中市出身。関西学院大学在学中に(株)リョーマ、(株)ダイヤルキューネットワークの設立に参画。(株)徳間インテリジェンスネットワークを経て1992年、有限会社日広(現GMO NIKKO株式会社)を創業。2008年、NIKKOのGMOインターネットグループ傘下入りに伴い退任しシンガポールへ移住。2010年、シンガポール永住権取得。2015年、マレーシアMM2H(長期滞在)ビザ取得。 移住前は個人エンジェルとして、日本国内30社超のスタートアップの第三者割当増資 に応じるとともにハンズオン支援してきた(うち8社はその後上場)。 現在はシンガポールにて日本人の起こす企業の資本と経営に参画している。 主な参画先は、ホームIoTのKAMARQ、新興国のオンライン農協AGRIBUDDY、ビットコイン事業のビットバンク、ASEANでの採用ソリューションSMS24/7、通販物流受託のS-PAL等。
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