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「失敗は「そこ」からはじまる」フランチェスカ・ジーノ

2016/09/30公開 更新
本のソムリエ
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失敗は「そこ」からはじまる

【私の評価】★★★☆☆(74点


■人間とは不完全なものであり、
 常に完璧な判断が
 できるわけではありません。


 成功している人が
 過去の成功体験に固執したり、
 落とし穴に落ちてしまう。


 人間の判断を誤らせるポイントを
 心理学の実験結果などを示しながら
 考えていく一冊です。


・私たちは自分の価値を過大に
 認識しているせいで、他者から
 しばしば受け取る健全な助言を
 無視
することがある(p45)


■人間は感情で左右される場合があり、
 怒りによって判断を誤ることがあります。


 心理学を利用した提案など
 錯覚から判断を誤ることもあります。


 組織の判断であれば、
 空気に流される場合もあるでしょう。


 自分が完全に正しいと思って
 間違う場合もあるのです。


感情のせいで目の前の状況の分析が
 不正確なものになり、私たちは正確な
 分析を行うという計画からそれてしまう
 恐れがある(p321)


■個別には実験の結果を示しながら、
 しっかり説明してくれますので、
 うまく活用したい本です。


 全体としては、
 まとまっているようで、
 まとまっていないような本でした。


 ジーノさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私たちは自分で思ったいるほど
 まわりの世界がよく見えていない・・
 だから今度、携帯電話で話しながら
 自動車を運転するように、
 1度に複数のことをしているときには、
 気をつけよう
(p102)


・助言のコストのほうが私たちの決定を
 大きく左右する
・・
 だから、経営コンサルタント会社の
 高額な助言に基づいて行動する前に、
 こう自問するといい。もし同じ助言が
 ただでもらっていたが、はたして
 自分はそれに従うだろうか、と(p58)


・怒りを感じるように誘導された参加者は
 対照条件の参加者よりも、ネガティブな評価を
 下すことをはるかに強く好んだ。どうやら
 付随的な怒りは、他者や他者のアイデアを
 批判する魅力を増す・・(p76)


・1回分を無料にするためには・・
 10回洗車しなければならなかった・・
 ただし、スタンプが2個無料で贈呈される・・
 「8回洗車をすれば1回無料」の顧客のうち、
 19%がそのプログラムを完了・・・
 無料のスタンプを2個もらっていた顧客のうち、
 じつに34%もの人がプログラムを完了した(p255)


・私たちが知的で面白いのは、
 他人がじつに鈍くてつまらないからに
 ほかならない
 (心理学者の言葉)(p192)


失敗は「そこ」からはじまる
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【私の評価】★★★☆☆(74点)


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■目次

序章 なぜ私たちは、「成功」をみすみす逃す意思決定をしてしまうのか?
第1部 「内なる自分」――自分の内面に由来する力
 第1章 なぜグリーンスパンは、サブプライムローンの危険性を見抜けなかったのか?
 第2章 マイクロソフトのヤフー買収提案額は本当に「少なすぎた」のか?
 第3章 なぜサムスンにだけ「そのリスク」は見えていなかったのか?
第2部 「まわりの人」――他者との関係に由来する力
 第4章 なぜコカ・コーラは顧客を裏切る意思決定をしたのか?
 第5章 ITベンチャーが失敗するのは「友情」の過大評価のせい?
 第6章 フェイスブックをチェックするたびに「少し焦る」のはなぜ?
第3部 「取り巻く社会」――外の世界に由来する力
 第7章 「研究開発費」が多ければイノベーションが起こりやすい、は本当か?
 第8章 ディズニーが社員を「キャスト」に変える魔法の正体は?
 第9章 不正をした政治家やCEOは、なぜ平然と正当化できるのか?
まとめ 「9つの原則」で失敗しない意思決定を

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