【私の評価】★★★★★(93点)
■中国は法治国家ではなく、
人治国家だという。
そのため、
中国に進出した企業は、
どこも苦戦しているらしい。
そうした実話に沿った
ストーリーを通して
現地の実情を教えてくれる一冊です。
・韓国、台湾企業のトップは
夜逃げすることを恥じない。
日本企業は看板が大きすぎて
身動きがとれないことから
地方政府の標的にされがちなのだ(p265)
■中国では、公私混同が当たり前。
そうでなければ中国人ではない。
中国人は会社ではなく、
利害と人間関係で
繋がっているのです。
騙されることを前提に、
対応策を準備して
相手と契約しなくてはならない。
そうしなければ、
「騙されるやつが悪い」
と言われるだけなのです。
・おのれの処理能力も考えずに
軽々しく賄賂を受け取ったりするような
地方役人など絶対に信じてはいけない。
少し考えてみればいい、と千住は思うのだ。
安易に不正を引き受けてしまうようなチンピラ役人に
当局の手入れが入ったらどうなるのかを(p12)
■言葉ではわかっても、
日本人には本当の意味で
中国人のことが分かるはずもない、
と感じる一冊でした。
体験した人しか、
わからないのでしょう。
加藤さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・融資が決まった時点で彼がすべきは、
その紹介者である共産党指導部の人間に
融資額の二割、この場合には2000万元を
謝礼として渡す。・・実際にこの融資に応じた
国有銀行の幹部に一割、1000万元を渡す。
続いて、残り7000万元のうち2000万元を
自分のものにして、海外の口座に預金する(p178)
・僕の経験では、即金と言いながら、
きょうは金を払えないという人間は
『100%』騙すつもりで発注してくる(p210)
・何度も千住から諭されたのが、
コンファーム(確認)の重要性であった。
「・・溝ができるのは、コンファームが
不十分だからだ。しつこいくらいの
コンファームでちょうどいいんだぞ」(p205)
・まずは出会いがあり、互いに
品定めする時間が必要だ。
最初は相手が千住の棲み家に
入り浸ることになるのだが、
本当に打ち解けた場合には、
相手は必ず千住を自宅に呼ぶ(p47)
・概して中国人は老若男女を問わず、
小金が貯まると、対象が何であれ、
闇雲に金儲けに走り出すところがある(p36)
・東南アジアの途上国の名士になった人たちには、
ひとつの成功パターンが見られる。
まずは農産物の輸出でひとやま当てるのだ。
それも、冷凍ができて付加価値の高いものを
輸出するルートを獲得できたものだけが成功を収めた。
そして成功者たちが農産物の次に手を染めるのが、
ほぼ例外なく中古車なのである(p128)
集英社
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【私の評価】★★★★★(93点)
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■目次
第1章 公私混同しなければ中国人ではない(一九九二年)
第2章 脱税物販ビジネス(一九八八年)
第3章 幇の恐怖(一九九四年)
第4章 三つ子の魂百まで(一九九一年)
第5章 「関係」の移転(一九九六年)
第6章 チャイナ・オペレーション(二〇〇一年)
第7章 反日デモ(二〇一二年)
第8章 それから(二〇一五年)