「リクルートで学んだリーダーになるための77の仕事術」小倉 広
2014/12/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
おまえはどうしたいの?
リクルートといえば、年間1000億円以上のキャッシュフローを生み出す巨大情報企業です。その本質は、強力な営業力と企画力にあります。徹底した実力主義と、自律性を持った人材がそれを支えている。著者はそのリクルートの中で人間力と仕事力を鍛えられました。
例えば、リクルートでは部下が上司の指示で動くというよりも、新入社員であっても、「おまえはどうしたいの?」と自分の考えを求められます。最初から、高いレベルの仕事を求められるという点で、異色の企業であることがわかります。
・リクルートでは、新入社員に対しても・・・「おまえはどうしたらいいと思う?」「で、結局おまえはどうしたいの?」(p20)
部下が自分で考えて動く
著者がリクルートのリーダーとしての経験から、気づいたことがあります。それは、正しいことが、必ずしも正しくないということ。例えば、上司がこまかい仕事まで丁寧に指導すれば、仕事の質は上がります。ところが、上司がコンロトールしすぎると部下のモチベーションは下がるのです。
自分の考えた仕事の方法を否定され、修正され、注意されれば、やる気をなくす人が多いのです。だから、放置というわけではないのですが、部下が自分で考えて、自分で動くように誘導したほうが、長期的には部下が育つのです。部下に丁寧に仕事を教えてあげる上司も、部下を放置する上司も一長一短ということなのです。
・管理職が小舅のようにこまごまと口を出せた出すほど・・「正しさ」は上がるかもしれないが・・・「共感性」はどんどん失われていく・・・実はチームの成果を落としている(p92)
部下との信頼関係が大切
著者の言いたいことは、論理的に正しくても、部下がついてこないことがある。一方で、正しくなくても部下がついてくることもある。つまり、「人は理論で考え、感情で判断する」ということです。
だから、まず最初にすべきことは、部下との信頼関係を作ること。信頼残高を積み上げて、そこから残高を引き出しながら、指導していくことが大事なのですね。
・関係ができるまでは、言いたいことがあっても我慢し、厳しく接することをしない(p192)
上司は、任せるべきは部下へ任せることが大事だとわかりました。上司は、部下が失敗し自ら気づく機会を奪ってはならないのです。自らピンチをつくりだし、そのピンチにより自らを変えよ、ということなのでしょう。
小倉さんの圧倒的な経験談に、心が動かされました。失敗もいっぱいしている。そこから学び、一歩一歩踏み出している姿に共感しました。小倉さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・営業マン一人一人に四半期目標、月間目標、週間目標が設定され、毎日営業日報として全営業マンの達成率ランキングが配信されていました・・上司や先輩などが発破をかける必要がなくなる(p37)
・できるヤツとできなヤツを分ける違い・・職場の問題や課題を「他人ごと」とせず「自分ごと」として本気で取り組む姿勢。(p69)
・「まずは先にパンツを脱げ」・・自己開示してオープンに話す(p68)
・「直観」で概略をつまみ取り、「論理」で検証する・・・ものごとの核心に迫っていく(p120)
・リーダーにプライベートはない。二十四時間、あらゆる場面で人々を奮い立たせ、やる気にさせることのできる人が本物のリーダーです(p174)
・「お客さまのため」「仲間のため」・・・部下を叱るときにフレーズとして使っている(p193)
▼引用は下記の書籍からです。
ゴマブックス (2014-12-23)
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【私の評価】★★★★★(92点)
目次
第1章 リクルートで学んだ新入社員の仕事術19
第2章 リクルートで学んだ中堅社員の仕事術15
第3章 リクルートで学んだ専門プロの仕事術15
第4章 ベンチャー企業で学んだ管理職の仕事術16
第5章 自社経営で確立した社長の仕事術12
著者経歴
小倉 広(おぐら ひろし)・・・フェイス総研 代表取締役。1965年生まれ。大学卒業後、リクルート入社。組織人事コンサルティング室課長。ソースネクスト常務取締役を経て、フェイス総研代表取締役。起業の組織作り、人材育成を支援。
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