【書評】「叱って伸ばせるリーダーの心得56」中嶋 郁雄
2014/11/26公開 更新
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
仕事の流儀はあるか
リーダーにとって叱るとは、自分の仕事の流儀を部下に教えることです。たとえば、部下が指示どおり仕事をしていなければ、叱ればいい。これはわかりやすい。
では、ベテラン部下が仕事のできない別の部下を非難していたら、あなたはどうしますか?あなたの仕事の流儀が固まっていないと、その場で反射的に叱れないかもしれません。
この本では、年上部下に対しては、年上部下に頼るように叱ることを推奨しています。つまり、指示するのではなく解決を相談するのです。指示するのではなく、相手に決定権を預けているように見せるのがポイントなのでしょう。
年上の部下に対しては、日ごろから「頼りにする」ことがポイントなのです。叱るときも「頼る叱り方」を心がけます。「こう変えたいのですが、大丈夫でしょうか?」「良い方法はないでしょうか?」(p124)
部下の行動はすべて上司の責任
部下は上司を観察しています。どうすれば評価してもらえるか。どうすると叱られるか。やる気があるのか。この上司は信頼できるのか。
そう考えると、部下の行動はすべて上司の責任なのでしょう。褒めるばかりでは舐められるし、叱ってばかりでは人望がなくなります。そうした中で、叱っていないようで叱っている。褒めるところは褒めるなど、工夫が必要なのです。
だから、同僚を侮辱する部下がいたらどうするか。例えば、「そんな仕事の仕方で、よくやっていけるな?」などと、同僚に暴言を吐く部下には、「A君、ちょっときて!」と、厳しい口調で呼び出して、そのような言い方を続けると処分される可能性があることを伝えます。「同じ仕事仲間を非難することは許さない」という、あなたと会社の仕事の流儀を伝えるのです。
あなたが思っている以上に、周囲はあなたが「部下を叱れる人」かどうかを観察しているのです(p21)
納得しない部下への対応
態度の悪い部下など、私の経験したことのない事例が多数あり、参考になりました。
例えば、「どこがダメなのか、納得できる説明をお願いします」と、鋭い目つきで迫ってくるような部下。真正面から、理論で説明しても部下は納得しない場合にどうするか?
著者の答えは、媚びずに「ダメなところは、経験を重ねていけばわかってくるよ。それよりも私は、君のその探究心や上昇志向に期待しているんだ。」と建前を話し、期待することだという。
いろいろな職場があり、いろいろな部下がいます。それらに適切に対応するためには体験も必要ですが、こうした本で予習することは、とても効果的ではないかと思いました。
中嶋さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・失敗は叱る。しかし、改善すればほめる(p32)
・遅刻した者を待つという習慣が、時間にルーズな雰囲気を作ります。ですから、遅れた者を待つ必要はありません・・・「早く席に座って」と声をかけてしまいがすが、これはいけません(p88)
・必ず名前を呼ぶようにしてください・・・「はい」「何でしょう」と返事をさせる・・・「名前を呼んでも、いっこうに返事が返ってこない場合」・・「今日は○○君、お休み?」・・などと、他の人に尋ねます(p91)
・他の仕事をしながら指示や命令を聞く、「ながら聞き」は絶対にさせないようにしましょう(p102)
・「よくわかったよ。ではどうすればいいか、考えられることはないかな?・・部下が突っかかってきたら、まず相手を認める言葉をかけ、相手に考えさせるように持って行きます(p106)
・嫌な仕事から逃げようとする部下の叱り方・・この仕事は君の成長に必ずつながる・・・「この仕事はA君に任せることにしたよ」・・「必要とされなくなる」という恐怖心を与えられる(p115)
・どうしても私語をやめさせたいときは?・・「A君、ちょっといいかな?」と、あなたの席まで来るように命じましょう。・・ちょっとした仕事を命じます(p108)
・同僚を叱る・・・みんな心配してるぞ?」と、「あなたのことを心配している」というメッセージをまず伝えましょう(p133)
▼引用は下記の書籍からです。
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(94点)
目次
序章 なぜ今、叱りが必要なのか
第1章 叱りにおける原理原則
第2章 叱り方の基本スキル
第3章 大人のための生活指導法
第4章 年上の部下、パート、新入社員etc。対象別の叱りポイント
第5章 どんな職場にも必ずいる「困った人」の伸ばし方
第6章 信頼関係を築く9つのルール
特別付録 便利な叱りワード集100
著者経歴
中嶋郁雄(なかしま いくお)・・・1965年、鳥取県生まれ。1989年、奈良教育大学を卒業後、小学校の教壇に立つ。「『叱り方』研究会」を立ち上げて活動を始め、教育関係者主催の講演会、そして専門誌での発表が主な活動だったが、大学や一般向けにも『心に響く叱り方』といったテーマでセミナーを行う
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