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「ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態」ロバート・フランク

2014/04/07公開 更新
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ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 アメリカには日本人の想像を超えた度肝を抜かれるようなお金持ちがいます。自分の会社で毎年数億円の収入のある人。インターネット企業を数百億円で売却した人。自分の会社を上場させて持ち株の価値が数千億円になった人。カルロスゴーン社長のように毎年10億円もらう人がいますが、小さく見えてしまいますね。


 この本では、お金持ちへのインタビューを通じて、お金持ちの特性や、お金持ちのイメージをつかむことができます。歴史の短いアメリカでは、仕事をしているうちにお金持ちになってしまった、というケースが多いようです。


・ロウアー・リッチスタン・・純資産:100万~1000万ドル・・
 ミドル・リッチスタン・・・純資産:1000万~1億ドル・・
 アッパー・リッチスタン・・純資産:1億~10億ドル(p8)


 仕事で富裕層になった人は、仕事を楽しんでいる人が多いので、お金持ちになって仕事を辞めると、何をしていいかわらなくなってしまう場合もあるようです。お金持ちはお金を持っているだけなのです。


 著者が言うように、金は自白剤のようなもので、人間の本質を引き出してしまう。だから、嫌なやつは金をもつとますます嫌なやつになる(p69)というのもうなずけます。


・2005年のある調査によると、いまのリッチスタン人のうち、「資産のおかげで以前より幸せになった」と感じている人は、全体の半分にも満たないという(p209)


 まずは、お金持ちになることだなと思いました。そうすれば、必然的に、幸せとは?仕事とは?という問題に向き合うことになるのです。


 著者が言うようにニューリッチは有名な芸術作品を欲しがり、「ピカソ」やジャクソン・ポロックの絵を持っているかもしれませんが、幸せなのかどうかはわからないのです。フランクさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・今日のリッチスタン人は、通常、次の五タイプに分類される。1 創業者・・・2 株主・・・3 被買収企業・・・4 資金を動かす人々・・・5 高額給与所得者(p34)


・ボストンのサポートグループ「CCC同盟」は、資産一億ドル以上が入会条件だが、すでに80世帯以上が入会しており、ヨーロッパの富裕世帯とも交流をもっている(p220)


・フォートローダーデールの貧困地区に住む何千人もの住民(大半は黒人か中南米系)が家を失った・・・そこからわずか数キロの場所では・・・数百万ドルもする豪華クルーザーがひしめき、制服を着た乗務員がクロムメッキの手すりやマホガニーのデッキをピカピカに磨き上げている(p251)


・執事訓練所の授業料は1万2000ドル以上もする。だが、それだけの価値はある・・・優秀な卒業生なら、初年度から年収八万~12万ドル稼ぐこともある。しかも、豪邸に住み、家賃も食費もただだ。(p5)


ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
ロバート・フランク
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

ニューリッチの「ハウスホールド・マネジメント」―いまどきの「執事」養成法
ニューリッチを生み出す原動力―即席起業家の時代
ニューリッチへの道―ミニチュアハウスで大富豪になったエド・バジネットの場合
ニューリッチの暮らし―「働く有閑階級」ティム・ブリクセスの場合
ニューリッチからの転落―億万長者から劇的に転落したピート・マッサーの場合
ニューリッチの社交界進出―新旧富裕層の対立
ニューリッチの消費競争―財力の証し
ニューリッチの慈善活動―寄付に成果主義を求める
ニューリッチが政治を変える―リベラル派の新しい「黒幕」
ニューリッチのお金の悩み―富が不安を生む構造
ニューリッチの子供たち―富がもたらす子育ての憂鬱
富の格差とニューリッチの未来―カーネギーの夢は実現するか



著者経歴

 ロバート・フランク(Robert Frank)・・・ウォールストリート・ジャーナル紙はじまって以来の、「ニューリッチ(新富裕層)」専任担当記者。同紙に人気の週刊コラムを執筆するかたわら、「The Wealth Report」というブログでもニューリッチの最新動向を紹介し、大きな反響を得ている。同紙に13年つとめ、これまでアトランタ、ロンドン、シンガポール、ニューヨークでの勤務経験がある。現在、妻子とともにニューヨーク在住。


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