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「心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方」榎本博明

2014/03/12公開 更新
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心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方 (アスコムBOOKS 18)


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー

 人は強いようで、弱いものです。ちょっとした言い方で、動いたり、動かなかったりする。つまり、内容ではなく、言った人、言い方で判断が変わる場合があるということです。


 例えば、受け入れやすい小さな要望を最初に了解してでしまうと、法外な要求も、いつのまにか受け入れてしまうことがあります。仕事をやれ!と言われるよりも、一緒にやりましょう、と言われるほうが了解しやすくなったりするのです。


・一体感をかもし出す言葉に人は弱い・・・「力を合わせて成功させましょう」(p18)


 確かに、人には感情があり、「あの人が言ったからやる」「あの人とはやりたくない」という人が多いように感じます。それは合理的ではない、と批判するよりも、そうした現実を理解し、それに合った対応をする必要があるのでしょう。


 例えば、相手の言ったことに納得しなかったとしても、はじめは否定せずに、「なるほど、わかりますよ」と言いつつ、「でも、こんなこともありますよね」と言うと比較的反発が小さくなったりするのです。カーリングでも「そだね~」という声がけが流行ったように、相手の言っていることを受け止める一言が大事なのです。


・こちらの言い分に耳を傾けてくれたという満足感が反発や意欲減退を防ぐ・・・やり手の経営者というのは、相手を喜ばせながら、自分の方針を押しつけていくテクニックにすぐれている人なのかもしれない(p155)


 合理的に考え、実行できる人は、黙っていても出世します。そうでないから、あなたの周りにはそうした部下が多いわけです。そこのところをしっかり理解して対応したいものですね。榎本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・手ごわい相手の説得は、お茶を飲みながら話す(p80)


・うっかり心を開いて自分のことをべらべらしゃべってしまった人は、知らず知らずのうちに聞き手に対して好意を抱くようになる(p75)


・つまらない単純作業をやらされたあとで、次の順番を待っている人に「楽しい作業だった」と言うように実験者から頼まれ、しかたがなくそのように言った者は、そう言ったあとでは作業直後よりも「楽しい作業だった」と実際に思うようになっている(p110)


・「気の弱い人」は、強引に攻める(p200)


心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方 (アスコムBOOKS 18)
榎本博明
アスコム
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【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次

第1章 このキラーフレーズが、人の心を動かす
第2章 この話し方で、人は思うように動く
第3章 なぜ、人は説得されるのか
第4章 相手次第で「心の動かし方」は変わる



著者経歴

榎本博明(えのもと ひろあき)・・・・心理学博士。1955年、東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演等を数多く行うとともに、自己心理学を提唱し、自己と他者を軸としたコミュニケーションについての研究を行うなど、現代社会のもっとも近いところで活躍する心理学者である。


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