「決算書でわかる! いい会社、やばい会社は「ここ」で見抜く!」大畑 伊知郎
2014/02/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■上場企業の有価証券報告書は、
決まったルールで作成され、会計士がチェックし、
だれでも読むことができます。
その情報を分析するときに効果的な手法は、
「比較する」ということです。
過去の推移を見る。
他社と比較するのです。
・財務諸表の数字は、ほかの数字と比較して
はじめて意味が明らかになります・・・
1 財務諸表とほかの数字との比較
2 過年度の財務諸表の数字との比較
3 他社の数字との比較(p62)
■「決算書はお化粧ができる」というように、
経営者には決算書を良く見せたいという
誘惑があります。
そうした誘惑を助長するような、
お化粧の方法が実際にあるのです。
それを知ったうえで、
決算書を見ることが必要なのでしょう。
そういえば、半沢直樹では迂回融資を隠ぺいするため、
貸付金を隠していました。
・ROAの場合、分子の事業利益とは会社の事業活動から来る
キャッシュ・フローにほかなりません・・・
ROEの分子は当期純利益であり、当期純利益は
営業外損益や特別損益によって「お化粧」ができる(p95)
■この本の良いところは、
実際の企業の比較をしているところです。
富士重工業とマツダ。
グリーとDeNA。
マクドナルドとモスバーガー。
お化粧はできても、
数字は嘘をつかないのですね。
大畑さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・従業員はコストセンターである反面、
利益を生み出すプロフィットセンター(利益の源泉)でもあります・・・
希望退職を実施すると、辞めてほしい人と一緒に辞めてほしくない人も
辞めてしまうという現象が生じます(p139)
・DeNAの売上高に占める与信関連費用の割合が
ほどんどゼロで推移しているのに対し、
グリーのそれは、年々上昇・・・
グリーの外注費はDeNAのおよそ2倍(p163)
・売上高に対する販売費及び一般経費の比率が、
日本マクドナルドでは11.99%であるのに対し、
モスフードサービスのそれは44.86%(p176)
・モスフードサービスの棚卸資産回転率は
平均して0.5か月前後なのに対し、
日本マクドナルドのそれは一桁少ない
0.04から0.08か月です(p177)
・ローソンの連結損益計算書の利益率と比較すると、
単体の利益率のほうが連結の利益率よりも際立って
高い数値になっています。・・・
経営効率の悪い子会社が足を引っ張っているのではないか、
ということが推測できるのです(p171)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■目次
0 「決算書」とは何か?
1 財務諸表は、「ここ」を見る!
2 プロ会計士の数字分析術
3 いい会社とやばい会社を見抜く7つの視
4 実践!有名企業の決算書を読み比べよう!
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