「採用基準」伊賀 泰代
2014/01/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
■マッキンゼーにおいて人材育成、採用マネジャーを
務めた著者による、マッキンゼーの採用基準です。
日本とまったくちがう企業文化を持った
マッキンゼーという会社の雰囲気がわかります。
・マッキンゼーでは、バランスが崩れていてもよいので、
何かの点において突出して高い能力をもっている人が
高く評価されます(p52)
■たとえば、
著者が複数の上司から意見をもらって、
それをクリアするために悩んでいた。
その様子を見て上司が一言、
「まさか、僕たち・・が言ったことを、
全部やろうとしているわけじゃないだろうね」
マッキンゼーでは、上司がどう言おうと、
担当者自らがどう考えるかが大切なのです。
上司の意見は参考として聞いたうえで、
自らが判断して最適な道を選択する。
それがリーダーシップであるというのです。
・大企業のトップの中には、「自分が先に行けんを言うと、
みんなが黙ってしまい議論が起こらなくなってしまうし、
反対意見も言いにくくなるから、会議では自分の意見は
最後まで言わないようにしている」という人も存在します。
けれどもマッキンゼーではそんな気遣いは無用です。
どんなに強くパートナーが意見を言っても、他のメンバーは
それを上司の指示とは受け取りません(p75)
■マッキンゼーは外資系の中でも、
特異なのでは?と感じました。
ベスト・アンド・ブライテストなのでしょう。
ただ、日本企業では、マッキンゼー人材は、
生き残れないかもしれません。
伊賀さんさん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・マッキンゼーの・・コンサルタントは常に世間の常識を
鵜呑みにせず、自分でゼロから考えるよう求められます・・・
自分のオリジナルな考えを突き詰めること(p31)
・忘年会の企画においてさえ、
「まずは忘年会のビジョンを明確にせよ」と問われます・・・
「多数決ではなく、事実と論理による検討を行ったうえで、
どの案を選ぶべきか、仮説を立てて提案せよ」
と言われてたまげました(p153)
・よく言われるのが、「ポジションをとれ」という言葉です。
これは、「あなたの意見は何か」、
「あなたが意思決定者だとしたら、どう決断するのか」
という意味です(p142)
・自分には関係ないと考える人にとっては、
リーダーとは突っ込みどころ満載の強権者です。
自分勝手な命令者にしか見えません。・・・
だから言葉遣いとか、進め方の是非といった表面的な
手続きにばかり、あれこれを文句がつくのです(p110)
・世の中には経営者が何も決断できないまま、
ずるずると消耗戦を続けている企業がたくさんあります・・・
誠実で善良な人なのかもしれませんが、
こんな(リーダーシップの欠如した)人に率いられる組織は、
本当に災難です(p128)
・成果が厳しく求められない状況が多いからこそ、
日本ではリーダーシップが問われることが少ないのです。
成果が達成されてもされなくてもよいのであれば、
あえて摩擦を起こし、他部署の意見に強く反対する
必要性は誰にも見つけられないでしょう(p91)
【私の評価】★★★☆☆(76点)
■目次
序章 マッキンゼーの採用マネジャーとして
第1章 誤解される採用基準
第2章 採用したいのは将来のリーダー
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
第6章 リーダー不足に関する認識不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
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