「おじいさんは山へ金儲けに」村上 龍
2014/01/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
■昔むかし、あるところに
おじいさんとおばあさんがいました・・・
だれもが知っている日本昔話を
ちょっとアレンジ。
日本昔話を読みながら、
お金について考えてみよう!
という一冊です。
「かちかち山」のタヌキって、
おばあさんを殺して、
ババア汁をおじいさんに食べさせた?
と「実は怖い日本昔話」のようで
面白い一冊でした。
・日本の昔話の主人公は・・正直者の良いおじいさん・
おばあさんは必ずハッピーエンドとなる。だが実際には、
無知で貧しい人々は、正直だろうが欲張りだろうが、
経済的に成功するチャンスなどなかったに違いない(p5)
■確かに、日本昔話は、正直者が得をする、
という設定になっています。
実際には、いかに正直者であっても、
知識や技術がなく、価値を提供できなければ、
お金を手に入れることはできないのです。
貧乏な人が悲惨な生活を送らざるを得ないのは、
今も昔も同じなのです。
(現代は、生活保護で安心して
暮らしている人も多いと思いますが・・・・)
・技術も知識もない人は、だれかにこき使われて生きるしか
ありません。・・・そして、だれにでもできる仕事は、
少ないお金しかもらえません(p119)
■単なるお金の考え方だけでなく、
日本昔話と関連付けて、
ブラックジョーク的な面白さがありました。
お金について考えたい方はどうぞ。。
村上さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・人は大人になると、何かを売って生活していかなくては
いけません。畑で作った野菜を売る人もいます。
魚を売る人も、肉を売る人もいますが、
自分の技術や、才能を売る人もいます(p150)
・お金があれば避けられる不幸は数多いし、
お金は、幸せになるために必要な物、知識、経験などを
手に入れるうえで役に立ちます。
しかし、お金はあくまで手段にすぎません(p158)
・あるテレビの教育番組に出て驚いたのは、
いずれ子供が社会に出たら何らかの方法でお金を
得なければならないということが、親や教師の間で
常識として共有されていないことでした(村上)(p199)
・投資について、
自分で納得できないことはしなくてもいいし、
してはいけない(p174)
・リスクは、悪い方向にばかり働くわけではありません。
特に、長期にわたる投資では、当初は予想できなかったような
大きな富がもたらされることがあります(p29)
・将来の自分自身の稼ぎの能力に対して投資する・・
ことが金銭的にも最も有効な投資だ・・・
悲しいかな人生の残り時間が少なくなると
低下せざるを得ません・・・資産運用の価値が
これを補ってくれれば理想的だいうことです(p102)
・世の中には、二つの種類の人がいる・・
弱いものをいじめて面白いと満足してしまう人と、
それよりももっと面白いことを知っている人だ。
わたしは、もっともっと面白いことを知りたいな(p45)
幻冬舎
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【私の評価】★★★★★(93点)
■目次
かちかち山
桃太郎
浦島太郎
一寸法師
さるかに合戦
わらしべ長者
花咲かじいさん
舌切りすずめ
鶴の恩返し
かぐや姫
笠地蔵
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投資の心得を学ぶのに書き下ろされた本で、
寓話をもとにしているところが斬新で
興味を持って購入しました。
寓話を読んでもそれほど投資の勉強とまではいかないものの、
良く知っている寓話から大きくそれて展開される物語に
わくわくしながら読むことができました。
もっとも興味深かったのは、
「自分自身に投資すること」。
これは、いろいろな本にも書いてあるが、
自分が将来どのくらい稼げるか、
今の段階で、自分にお金をかけて投資する
(講習会へ行く・本を購入するなど)ことが
重要であるとかいてあります。
私も本を購入して自分の糧にすることはたやすいので、
実行しています。