「値上げのためのマーケティング戦略」菅野 誠二
2014/01/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
■稲盛さんも言っていますが、
「値決め」は経営であるということ。
営業部門は
安ければ簡単に売れるから、
値段を安易に下げようとする。
「値決め」は決して営業部に任せるべきではなく、
経営者が決めるべきものなのです。
・欧米では適切なプライシングを実行するために
プライシングマネージャーを設置する企業が増えている。
まず必要な分析から事実ベースのデータを収集し、
科学的な顧客価値創造プライシングのアプローチを
する責任部門を設置すべきではないか(p260)
■こうした「値決め」をするためには、
商品毎に利益が見えなくてはいけません。
Aという商品の原価はこれくらいで、
販売費はこれくらい。
売値がいくらなので利益がいくら。
こうしたデータが、毎月把握できないと、
「値決め」の効果が測定できない。
経営者に「値決め」のための
情報提供が必要なのです。
・取引毎の利益を現状把握する・・・メーカーが商品を
チャンネルの多段階に渡って流通させている場合、
それぞれのステップで発生するリベートやアローアンスを
商品ごと、顧客ごと、注文ごとに分析して実態を把握する(p252)
■要は、お客様が買ってくれる限界まで高い値段で
売ることが大事なのですね。
そのために、無料戦略も含めて
色々な工夫をしていかなくてはならないことが
わかりました。
菅野さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・マイクロソフトのオフィスを、
グーグルはアップス(Google Apps)で
「無料」または定額設定にして
転覆させようとしている(p44)
・スティーブ・ジョブスは25年以上前、
ジョン・スカリー元アップル社長に、
iPhoneの原型のようなスケッチを見せ
「こんな電話をつくりたい」と言ったという(p121)
・無印良品を運営している良品計画・・・
顧客からアイディアを募り、欲しいモノに投票してもらい、
デザインに投票してもらう。最終製品までの工程進捗を報告し、
購入の予約を募って一定の数に達すると商品化を決定する(p132)
・変動費が1個あたり60円で売値100円の商品を10万個
売り上げていた企業は400万円の限界利益を得、そこから
固定費が30%で300万円を引いた場合に、100万円を利益として得る。
もし価格を25%値引くと、同じ額の利益を確保するためには
なんと販売量を2.7倍にしないと損をする。逆に25%値上げが
できれば販売数量は約40%落としても良いことになる(p16)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
■目次
PART1 マーケティングはお客様へ提供する価値を創造すること
序章 マーケティング上の価格戦略の意義
第1章 価格戦略下手企業4つのシンドローム
第2章 『顧客価値創造プライシング』とは何か?
PART2 現状を知りマーケティング上の課題を見つけなさい
第3章 新しいマーケティングの意味を知る
第4章 顧客にとってコストはPain(痛み)。「痛い! 」と感じさせない
第5章 理念とビジョンを達成するため、マーケティングの課題を見つける
第6章 SWOT分析をしてマーケティング上の課題を抽出する
PART3 顧客価値創造プライシングを最適化しなさい
第7章 狙うべき良い顧客は誰か決める
第8章 ブランド独自のポジションを見つける(Positioning, Branding)
第9章 顧客に提供する価値の創造をする(Customer Solution)
第10章 価値を伝達する(Communication, Convenience)
第11章 顧客価値創造プライシングを実行する(Cost to the Customer)
第12章 価格戦争に向けて想定し得る対策
第13章 B2B事業における価格戦略
PART4 顧客価値創造プライシングを組織化する
第14章 体系的な分析手法を組織化する
第15章 価格戦略の責任部署をつくり実行する
第16章 トップがコミット(責任を持つ約束)する
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