ファンというコミュニティを作る「ファンベース」佐藤 尚之
2022/12/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
ファンベースとは、 ファンを大切にしてファンをベースに商品を売っていくという考え方です。
良いものを作れば売れるというのは正しいと思いますが、良いものを買う人は、他にもっとよい商品があれば、そちらに移動してしまいます。安いものが売れるというのも経済学では正しいのですが、他に安いものがあれば、客は安い方を買ってしまいます。
安くて良いものを作ったとしても、安定して売っていくことは難しいのです。だからこそ、どんなときでも応援してくれるファンを作ることに、注力するべきなのです。
・先行商品は(そのUSPが優れていればいるほど)すぐに後発に研究され、マネされ、陳腐化され、安価化されてしまう(p60)
では、どうやってファンを作ればよいのでしょうか。この本では「共感・愛着・信頼」と表現していますが、商品のこだわりをわかりやすくストーリーやドラマにして伝えると、ファンは共感し、愛着を感じ、信頼してくれるのです。
また、社員たちの仕事ぶりを記録した動画をブログや公式サイトにアップすれば、親近感を持ってくれるのではないか。世の中のためになる活動をやって、ファンにも参加してもらえば、応援してくれるファンが集まってくれるのではないか。公式サイトで、ユーザーの声を紹介すれば、ファンがその内容に共感して、「他の人に紹介していいんだ」と口コミしてくれるのではないか。
つまり、「応援できる要素」を少しずつ増やしていくのです。
・常連さんに育て上げていく・・ご新規さん・一見さん・何度か来てくれている人・常連さん・超常連さん(p96)
カゴメのファン・ミーティングでは、那須塩原の工場までファンに自腹で集合してもらっているという。平日にもかかわらず、多くのファンが集まるのです。そうしたファンはどんなときも商品を買ってくれるし、友人をファンにもしてくれる大切な資源なのです。
この本では、ファンを笑顔にすることほど楽しい仕事が他にあるだろうかと問いかけています。ファンとの対話こそ、商売の醍醐味なのかもしれませんね。佐藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・カゴメトマトジュースでは、上位2.5%のコアファンが全売上の30~40%を占めている(p44)
・ファン会議・・・班それぞれに、商品について「好きになったきかっけ」「一番好きなところ」「偏愛ポイント」「改善ポイント」などを時間をかけて話し合ってもらい、書き出してもらう(p109)
・ファン・ミーティング・・・面倒に思うくらいな量のアンケートを義務づけるなど、応募のハードルを挙げて、よりファン度が高い人を集める(p106)
・アイドルの条件とは、単なる美人ではなく、応援したくなるかどうか(p212)
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第一章 キャンペーンや単発施策を、一過性で終わらせないために
第二章 ファンベースが必然な3つの理由
第三章 ファンの支持を強くする3つのアプローチ~共感・愛着・信頼
第四章 ファンの支持をより強くするる3つのアップグレード~熱狂・無二・応援
第五章「全体」をどう組み合わせ、構築するか
第六章 ファンベースを楽しむ(もしくは実行の際のポイントの整理)
著者経歴
佐藤尚之(さとう なおゆき)・・・1961年東京都生まれ。(株)電通にてマス広告、ネット広告、コミュニケーション・デザインなどに携わった後、2011年に独立。現在はコミュニケーション・ディレクターとして、(株)ツナグ代表。コミュニティ主宰・運営として(株)4th代表。
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