「エネルギーは「買う」のか「作る」のか」森谷 正規

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エネルギーは「買う」のか「作る」のか―脱原発ができない理由 (エネルギーフォーラム新書)

【私の評価】★★☆☆☆(68点)


■国家の重要問題であるエネルギーについて
 取り上げる本が少ないので、手にした一冊。


 電力関係の出版社からの本ですので、
 エネルギー安全保障における
 原子力発電の重要性について説いています。


 つまり、原子力は石油やガスの輸入に依存する
 日本のエネルギー安全保障のために、
 国家として推進してきたものであるということ。


 国産エネルギーがほとんどないという現実に対し、
 電力については水力、石油、ガス、原子力と
 分散することで、安定供給を目指してきたのです。


・原発の燃料であるウランは、国内に資源はなく輸入するのだが、
 発電コストに対してその金額はとても小さくて、
 原発への投資のほとんどは発電プラントであり、
 これは国内で作るので、原発は「作るエネルギー」として
 見ることができる。(p18)


■歴史をさかのぼれば、
 太平洋戦争もアメリカの石油禁輸から
 はじまりました。


 日本という国家は、
 エネルギーを輸入せねばならず、
 そのために外貨を稼がなければならない
 運命にあるのです。


 だからこそ、リスクはあるものの、
 燃料費のほとんどかからない
 原子力発電を推進してきたということ。


 ただ、福島第一の原子力事故により、
 原子力をどうするのか、
 国家として判断する時期に来ています。


・1941年になって・・・8月に米国政府は、
 日本に対して石油の全面的な輸出禁止という
 経済制裁を発令して、英国とオランダもただちに同調した。
 それが、太平洋戦争に日本が踏み切った
 大きな原因の一つである(p46)


■まず、第一の論点として原子力維持と脱原子力。


 脱原子力により電気料金が上がり、
 エネルギーの多様性が損なわれるのは事実ですが、
 それを許容する選択肢はあると思います。


 それは国家が若干貧乏になるということを
 国家の意思で決めることだと思います。


 また、第二の論点は、再稼働について。


 これは、安全性が確認できれば、
 すぐ再稼働したほうがいい。


 なぜなら、原子力は稼働していても、していなくても
 燃料を冷却できなくなればアウトですから、
 とにかく万全の安全対策を施して、
 運転したほうがいい。


 安全対策に万全を期しながら運転して、
 原子力についてはじっくり考えれば良いのではないか。
 私はそう感じました。


 森谷さん、 
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・円安がさらに進んでいくと、輸入額を大きく増やす
 ことになる・・国内のエネルギー価格、電気料金が
 ジリジリと上がっていけば、各産業の国際競争力の
 低下をもたらして、輸出が減り、さらに、いっそう
 海外生産への移行が進んで、輸出を減少させる・・・
 このように考えると、貿易収支で大幅は赤字
 基調になる恐れが強いのである(p150)


・この太陽光発電は、・・導入できるのは、
 一戸建の大きな家に住んでいる裕福な家庭である。・・
 一般の電気代が上がって、負担するのは、
 小さなアパート、狭いマンションに住んでいて
 導入できない、裕福ではない家庭である(p100)


・朝日新聞は、55年の8月6日の社説で、・・・
 「原子力は、悪魔と神の二面を持っている。
 それは、残虐きわまる大量殺人兵器ともなるし、
 またそれは、人類に無限の幸福をもたらす
 建設的なエネルギーである(p57)


【私の評価】★★☆☆☆(68点)

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