「現代広告の心理技術101」ドルー・エリック・ホイットマン

【私の評価】★★★☆☆（77点）

「現代広告の心理技術101」ドルー・エリック・ホイットマン、ダイレクト出版

要約と感想レビュー

　広告というものは、お金を払って商品を告知するものです。しかし、広告がかけた費用以上に儲けることはなかなか難しいという現実があります。そこに、この本の価値が生まれる素地があるのでしょう。

　広告で商品を売るためには、人間という生き物の特性、欲求を知る必要があります。例えば、生き残りたい、人生を楽しみ、長生きしたい。食べ物、飲み物を味わいたい。恐怖、痛み、危険を免れたい。性的に交わりたい。快適に暮らしたい、他人に勝り、世の中に後れを取りたくない、愛する人を気遣い、守りたい、社会的に認められたいなどの欲望です。

・悪い例　　「金銭的に成功する」
　よい例　　「毎週2495ドル稼ぐ」（ｐ141）

　広告には、センスも必要ですが、最後には実験結果がすべてです。実験からわかることは、商品名が大事、推薦でお墨付きをもらう、無料サンプルをくばる、ということがわかります。

　ただ、こうした知識をもって広告を作ったとしても、結局は、実験して測定するしかないのです。測定してみると、結果は次のとおりとなるのです。

旧タイトル	年間販売数	新タイトル	年間売上数
ふさふさの金髪	5000冊	ブロンドの恋人を探して	5万冊
論争術	0冊	論理的に議論する方法	3万冊

（ｐ31）

　具体例が多く良心的な一冊でした。広告とは試行錯誤が必要で、どこまでいってもわかりにくい世界だと思います。だからこそ学んでいく必要があるのでしょう。

　ホイットマンさん、良い本をありがとうございました。

この本で私が共感した名言

・悪い例　「ウェイター、ウェイトレスの皆さんへ。取引の秘訣を教える新ワークショップ！」
　よい例　「ウェイター、ウェイトレスの皆さんへ。チップを512％増やす方法を教える新ワークショップ！嘘なら代金はお返しします」（ｐ153）

・ただのオフィス清掃業ではダメ・・「オフィスクリーニング専門技術者」になるべし！ただの小さなペットショップではダメ・・「小さな屋根の下のペットワールド」になるべし！（ｐ240）

・『パレード』誌は、以下の写真が最も人々の注意を引くという記事を掲載したことがあった。
　１．赤ちゃん
　２．母親と赤ちゃん
　３．動物
　４．有名人
　５．食べ物（ｐ259）

「現代広告の心理技術101」ドルー・エリック・ホイットマン、ダイレクト出版

【私の評価】★★★☆☆（77点）

目次

INTRODUCTION　 顧客は買いたがっている！
CHAPTER 1　人々が本当に求めているもの
CHAPTER 2　相手の頭の中に入る方法
消費者心理の17の基本原則
CHAPTER 3　買わずにいられなくなる秘密のテクニック
CHAPTER 4　ホットリスト
レスポンスを急増させる101の簡単な方法
EPPILOGUE　 広告のプロが最後に言いたいこと

著者経歴

　ドルー・エリック・ホイットマン（Dolue Eric Whitman）・・・「ドクター・ダイレクト! TM」として知られる米国ダイレクトレスポンス広告界の第一人者。11歳からダイレクトレスポンス広告による販売を始め、テンプル大学で広告学の学位を取得後、広告の世界で頭角を現す。フィラデルフィア最大の広告代理店のダイレクト・レスポンス部門で長きにわたって活躍、世界最大手のダイレクト型保険会社でシニア・ダイレクトレスポンス・コピーライターを務めたほか、カタログ大手のデイ・タイマー社でアソシエイト・コピー・チーフを務めた経験を持つ。

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