「ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める」安達 誠司

|

ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


■昨日に続き、経済のお話。
 ユーロの成り立ちを復習し、今後を予想します。


 ヨーロッパでは、ユーロ統合により金利が低下。


 それまで、経済が弱く高金利であった地域では、
 低利の資金を使った投資により不動産バブルが発生。


 そのバブルが破裂することで、
 日本のバブル崩壊と
 同じような状況になっているらしいのです。


・スペインでは、本来であれば農地を耕して生計を立てていた
 農家が不動産ブームに乗じて農地を移民に売却し、売却資産を担保に
 投資用マンションを大量に購入、その家賃収入で引退生活を楽しむ
 といったことが、ちょっとしたブームになっていました。(p20)


■こうした混乱の中で、
 ユーロ圏維持のために各国が努力をしています。


 著者の予想は、
 こうしたユーロの危機と統合に向けた努力が、
 今後も繰り返されるだろうということ。


 統合したい、でも中途半端だと矛盾がでる。


 その矛盾に耐えつつ、
 中途半端から一歩づつ統合に向けて進んでいく。


 それが、ユーロの現状なのでしょう。


・ユーロ参加各国は、独自の金融政策をとれない。
 そのため無理をしてでも財政支出拡大策(財政赤字政策)を
 とるしかなかった・・・景気が悪化すれば、
 政府の税収はさらに減ります。(p159)


■ユーロを崩壊させないとすれば、
 現状維持に努力することになります。


 それは、弱い地域(国家)を資金援助し
 続けるということ。


 急に統合は進みませんので、
 弱い地域の経済は弱くなり、
 世界からユーロ資金の引き揚げが続くと、
 著者は予想しています。


・スペインの金融機関は、すでにブラジルをはじめとする
 南米諸国から資金を引き揚げはじめている・・・
 ユーロ危機の最大のリスクは、その行き着く先が、アジアなどの
 新興経済圏の高度成長を、終焉に向かわせる可能性を秘めている(p29)


■ユーロについては、
 実際にヨーロッパに行ってみないと
 わからないのかもしれません。


 2,3週間ヨーロッパに行ってみたいなあ~。


 安達さん
 良い本をありがとうございました。


-----------------------------------------------------------------


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ギリシャの全労働者中、公務員の割合が24%にのぼり、
 その所得は全労働者の所得の33%に達している。
 つまり、ギリシャは公務員が多いだけでなく、
 公務員の給与が民間の約1.5倍高い(p100)


・ユーロの導入によって、さほど一人あたりのGDPの
 平準化は起こっていなかった・・・労働規制が強い国では、
 「他国からの効率的な労働力の移転(流入)による
 メリットを受けとることができなかった」(p128)


・自国通貨高の世界では、輸入が増えて輸出が減るという流れが、 
 自動車産業だけではなく産業全体で起こります。そのため
 輸出額マイナス輸入額である「貿易収支」が
 どんどん赤字になるわけです(p108)


・EMS時代、傾向として自国通貨高傾向にあったフランスを
 中心とした国々は、慢性的な貿易収支の赤字と、それにともなう
 財政収支の赤字という双子の赤字に悩んだ末に・・・
 意図的に自国通貨安を起こすため、
 頻繁に中心レートの変更を余儀なくされた(p113)


・バブルの崩壊はいつも、
 中央銀行の金融引き締めという名の、
 資金回収政策によって引き起こされている(p147)


ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)
安達 誠司
幻冬舎
売り上げランキング: 38,424

【私の評価】★★☆☆☆(69点)

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


■目次

プロローグ なぜユーロ危機はいっこうに解決しないのか
第1章 ユーロはこうして苦難を乗り越え、成立した
第2章 ユーロが失敗することはEMS時代にわかっていた!
第3章 ユーロの正体を経済学から読み解く
第4章 ユーロ危機の正体
第5章 ユーロは今後どうなるのか
第6章 日本が危機に巻き込まれるとき
エピローグ 日本が真にユーロに学ぶべきこと


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
36,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)