「アイデアの選び方 アイデアは、つくるより選ぶのが難しい。」佐藤達郎
2012/12/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
アサツー ディケイ→博報堂で、テレビCM,広告キャンペーンを手がけた著者が、アイデアの選び方を教えてくれます。クライアントに提案する前にアイデアを100個、1000個出すのは当たりまえ。それを絞っていくのが難しいのです。
その製品をPRする長所は何なのか考えるために、長所と短所を考えてみる。アイデアの方向性ごとに、分類してみる。言葉にしてみる。そうした作業の結果、よいコピーが生まれるのです。
・コピーライターは、ごく普通に100案はキャッチフレーズを考えます。・・・100案あっても、最終的に検討に残る案は、せいぜい10案くらいです(p37)
そういえば、オーストラリアの無人島の管理人を半年約1000万円で募集!という企画。これも佐藤さんのアイデアだったらしい。こうした面白い企画やアイデアを、仕事としてアウトプットしていくということ。
プロフェッショナルですから、アイデアの出し方が体系化されている印象でした。こうした体系化された流れの中から、安定した品質のアイデアが生み出されるのでしょう。
・アイデアを"選ぶ・決める"ための6つのステップ
1 まずは、A4用紙1枚に1案を書く、ことから。
2 そして第一次予選!机にA4用紙を並べて、粗選りを始める
3 壁に貼って、方向性ごとに分ける。方向性の名前も貼る。
4 入れ替える。方向性の分類そのものも、変える
5 方向性ごとの一等賞を決めていく。全部で3案に絞る。
6 最後の最後、1案に決める時は、感覚も総動員して。(p52)
初心者として参考となるのは、とにかくアイデアを100個以上出すということでしょうか。そしてそれを方向性で整理してみる。入れ替える。そうして、時間をかけて、絞り込んでいくのです。
最後にアイデアを選ぶのは、「自分の感性」で、というところがプロフェッショナルっぽいと感じました。佐藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・この事前の「インプット段階=理屈で整理する」部分がだいたい6~7割まできたら、いよいよアイデア出しを始めます(p147)
・このアイデアの根本は何かを、言葉にしてみる(p86)
・横の整理。方向性自体の検討。それぞれの案が方向性に合っているかも検討(p72)
・"良い点"と"ダメな点"を並べてみるとよくわかる(p107)
・新聞記者は世の中の"悪いところ"や"ダメなところ" を見つけてきて批判的に捉えるのが仕事だ。それに対してコピーライターは、商品の"良いところ"を見つけて誉めることが仕事だ(p206)
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 なぜ、アイデアを"選ぶ・決める"技術が必要なのか?
第2章 アイデアを"選ぶ・決める"ための6つのステップ。
第3章 アイデアを"選ぶ・決める"ための8つのテクニック。
第4章 アイデアを"選んで・決める"人に大切な考え方。
第5章 ネーミング、デザイン、イベント企画。
第6章 人生の、毎日の、様々なシーンで。
こんなことにも使える"選んで・決める"技術。
著者経歴
佐藤達郎(さとう たつろう)・・・一橋大学社会学部卒業後、アサツーディ・ケイ、博報堂DYメディアパートナーズでエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務める。カンヌ国際広告祭、アジア・パシフィック広告祭(アドフェスト)、クリオ、東京インタラクティブアドアワード(TIAA)、ACC賞など受賞歴多数。2004年にはカンヌ国際広告祭フィルム部門の日本代表審査員を務めた。2011年4月より多摩美術大学教授(マーケティング・コミュニケーション論/メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表
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