「泥棒美術学校」佐々木 豊
2012/10/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
■なぜ「泥棒」かといえば、
著者はテレビ、写真、絵などから
インスピレーションを受けて、
絵を描いているからです。
そのまま真似るのではなく、
自分の中で消化して
作品を作る。
そこに独自性が
出てくるのでしょう。
・模倣がなぜ悪い?
ピカソでもロートレックの模倣から出発したではないか。
梅原はどうか?初期作品はルノアールそっくりじゃないか。
模倣したくなるほど惚れ込めるのは、
こちらに呼応する何物かがある証拠だと開き直った(p51)
■「アイデアとは既存の要素の組み合わせにすぎない」
と言われます。
芸術も既存の要素を
芸術家がデフォルメしたものに
すぎないのかもしれません。
抽象画など何が描かれてあるのか、
わからないものもありますし。
・三島由紀夫の言葉を思い出す。
新しい芸術が現れた時、人は醜悪だと感じて反発する。
しばらくたつと、人は美しいと感じるようになり、
それを受け入れる。そして、見飽きてしまうと、
陳腐だと思うようになる。(p148)
■テレビで「開運!なんでも鑑定団」を
見ていると、
こんなのがこんな値段!
と驚くときがあります。
芸術とは買ってくれる人がいれば
成立するのでしょう。
佐々木先生、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・フォンタナのようにナイフで切りさいた線が
一本だけとうのは、受けつけないんですな。
何か損をしたようで(p173)
・「なぜそんなにピンク色なの?」とよく聞かれる・・・
色ぐらい楽しんで好きな色を塗らせてくれよ、
という気持ちが僕にはある。(p139)
・自分の中に埋蔵する潜在能力が大きければ大きいほど、
自己発見が遅れることだってある。俺の中に眠る鉱脈は
深いところに複雑な形で連なっているのだ。
簡単に見つかってたまるか!(p40)
・欠乏感覚、これが創作のモトではないだろうか。
欠乏感覚が想像力を呼ぶのだ。
その意味では、囚人がいっとう鮮明に娑婆の光景を
思い浮かべることができるのではないか(p11)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
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