「組織を変えるマネジメント」佐藤 克男
2012/07/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
■北海道の函館に近い森町に、
辣腕経営者が
町長としてやってきました。
それまでの森町は借金200億円、
財政調整基金(預金のようなもの)がゼロ。
どこの役場も同じだと思いますが、
サービス精神もゼロ。
毎年、毎年同じ仕事を
続けていたのです。
・何もしない人に過失はない、
しかし何もしないこと程、
大きな過失はない
(下村湖人)(p1)
■そこに佐藤町長は次々と
手を打っていきます。
役所は町民サービス業だ。
笑顔、挨拶、スピード、
プラスアルファの親切の職員教育。
手すりが40万円で、
ガソリンも定価プラス15円という
役場価格は撤廃する。
職員の給与削減。
税滞納の回収。
赤字事業建て直し。
まだまだあります。
・手すり二本の工事が四十万円・・・
外部へ電話するときは、交換手経由・・・
文房具は定価で購入していました・・・(p137)
■こうした手を打った結果、
財政調整基金(預金のようなもの)は、
目標の十億円を突破しました。
職員の教育にも力を入れています。
人材ではなく人財たれ。
これからは役所も
金を稼ぐ時代ということです。
トップが替わると
これだけ変わるのですね。
・"森町の将来はこうあるべき"と題して、
今週中に鉛筆で原稿用紙三枚に書いて、
所属長に提出すること(p60)
■ここでは書ききれませんが、
実は三箇所で私は涙を流しました。
人を動かすエピソードが
あるのです。
町の改革は、
心の改革でもあるのでしょう。
佐藤さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・電話は一回ないし二回の呼び出しで出るようにし、
三回鳴ったら「お待たせしました」と出、
四回以上になってしまったら、
「大変お待たせしました」と出ること(p59)
・知らないということは恥ずかしいことだが、
勉強しようとしないことは、
もっと恥ずかしいことだ(p86)
・注意はわからずにやった場合です。
承知の上でやった場合は・・・
情け容赦なく、法律で許される
最大の処分をすることにしています(p96)
・リーダーに欠かせないのは率先垂範です・・・
今週は何度徹夜をしているんだろう」
と思わせるくらい仕事をやる(p113)
・森町では、長期返済のための資金を除いての
総予算に占める労働分配率が四十%を超えていました。
企業においては三十%を超えては危険水準(p142)
・整備されたパークゴルフ場・・・
三百万円稼ぐために、千二百万円かけている・・・
業務委託費は二百万とする。その代わり
売上は全部、請け負った企業のものとする(p150)
・日本一お年寄りを大切にする町づくり・・・
これは私の公約です。しかし私はお年寄りの福祉予算を
ドシドシ削りました。私の持論は
「自分のことを自分でできる人はお年寄りではない」(p206)
・自治体が収益事業を始め、
自分達の食い扶持を少しでも稼ぐようになれば、
国全体としても楽になるはずです。
国から交付金や補助金を貰うことが当たり前という
今のシステムは制度疲労を起こしています(p209)
・「町長、議会とうまくやったほうがいいぞ」と
進言してくれる人が数多くいます。私はそんな時、
「うまくやろうとすればうまくいかないもの」
と答えています(p166)
・今が良ければいいのではない。
十年後、二十年後、三十年後の森町のために
汗を流す(p239)
【私の評価】★★★★★(94点)
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