「人の心をつかむ―リーダーのための人間掌握術」松本 順
2012/03/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
いかに部下からの人望を集めるか
若手のうちは一生懸命仕事をし、中堅となれば上司に対応しつつ、部下を育てる。そして、自分が上司の立場になれば、いかにグループの成果を高めるか、悩むことになります。この本では、そうした組織内で頑張る人へのアドバイスとして、組織心理学の視点での注意点を学びます。
部下は、常に上司を観察しています。なぜなら、上司が仕事を指示し、仕事の評価も上司がするからです。そして、年下の部下もいるでしょうし、女性の部下もいるでしょう。仕事とはいえ、いろいろな思いが心の中にあるわけです。そうした中で、いかに部下からの人望を集め、気持ちよく仕事をしてもらうか、答えはあるようでない、ないようであるのかもしれません。
例えば、女子社員に仕事を命じたら、"課長はいつも私ばっかり難しいことをやらせる"という不満を持っていて「こんな難しい仕事はできません」といったとしましょう。そんな時には、「あなただからこそいつも難しいことを頼んでいるんです。というのはあなたに一番期待しているからなんです」というのはどうでしょうか。
また、ベテラン部下は、仕事ができるのでリーダーがあまりよく知らないのを皮肉ったり、ひやかしたりすることがあるという。そうされたときには、「三年も同じ仕事をやっているとくわしくなるのはあたりまえ。それを鼻にかけるのは大人気ないよ」とたしなめるくらいでもいいという。なかなか難しいですね。
・年輩者を部下にもった場合は、年輩者の心理というものは、最初はなかなか理解しにくい・・・年輩者でありながら、自分より若いものに使われるということは、自分を卑屈にする、惨めにする、あるいはなんとなくやりきれない気持ちにするものである(p96)
相手を信頼していることを伝える
基本的には、長所を褒めること。叱るべきときに、叱ること。叱るとは、間違いを修正することです。課長から10やれといわれて、七しかできないときにも、部下としては精一杯挑戦しているということも理解してあげましょう。また、仕事を指示した理由を説明すること。相手を信頼していることを伝えること。こうした当たり前のことをやりながら、信頼関係を作っていくしかないようです。
そして、面と向かってほめるのはお世辞ですが、かげでほめられるのはうれしいものだという。著者は、酒の席で「いや、ヤツは職人カタギの典型なんだ。仕事に熱心のあまり、他に心を配るユトリがなくなっているのだ」と弁護したこともあるという。
人間関係って大変ですね。みなさん!松本さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・叱りが効果がある場合と、逆効果になってしまっている場合とがあるのは、叱りという行為は、上司と部下とのふだんの人間関係がどのような状態にあるかによって、その効果が著しく違うものだからである。(p133)
・若いときはとかく実力本位に考え、実力さえあればどんどん偉くなれると考える・・・こうした若手実力社員は、上役も先輩も同僚も一目おく。しかし、内心おだやかならぬものを感ずる。彼の学歴や実力に対する劣等感がしだいに怒りに似たものに変わっていく。(p166)
・「美人は美に溺れ、才子は才に倒れる」(p167)
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【私の評価】★★★★☆(81点)
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