「死ぬときに人はどうなる10の質問」大津 秀一
2011/08/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
患者の最後の時間の苦痛を和らげる緩和医療医として、数百人の死者を見てきた大津さんと一緒に「死」を考える本です。
人生80年と言われるように、日常にあまり「死」というものが存在しない現代社会です。しかし、いずれ人は死ぬものであり、その運命からは逃げられないのです。
・この世の中で一つ正しいことがあります。とても確実なこと。それは、人は必ず死ぬということです(p1)
「死」というものがあまり身近にないために、「死」と向き合ったときに、うまく対応できない人が多いようです。訓練ができていないということなのでしょう。
例えば、あと数日の命となった人にどう対応するのか・・・医師から「今のうちにやりたいことをしたほうがいいですよ」と言われたらどうするのか・・・病院で死ぬのか、家で死ぬのか・・・その答えを持っていなくてはなりません。
・死の間際の患者さんにとって一番うれしいことは何か。それはちゃんと会いに来てくれて、そのままを受け入れてあげることである。(p106)
「死」があまり見えない社会ですから、自分で「死」を意識することで、世の中の見え方が変わってくるのではないか、と思いました。
そうした「死」を考えるために、最適な一冊だと思いました。みなさんも『今日が人生最後の日である』と心得て生きてみませんか?
大津さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・医者にもいろいろな価値観がある。(終末期に対する)自分の価値観と一致している医師が主治医だったら良いが、そうでない場合のミスマッチが悲劇を生む。(p121)
・「悪くなるときは早い」・・・何かしようと思っていても、様子を見ているとタイミングを逃すことが少なくない(p33)
・私の印象では、死のニ十四時間前頃がもっとも苦痛(身の置きどころのないしんどさ)が強いようだ。まさに「最後のヤマ」とも思っている(p45)
・1960年には全死亡者70万6599人のうち49万人が自宅で亡くなっている。・・・自宅死が71%・・・2008年には死亡者の総数は114万2407人であり・・・自宅死は14万4771人と13%(p139)
・長く生きることは貴重であるが、私はどのように生きるのか、そのことのほうがずっと重要だと思えてならない(p154)
・一般的に、家で死ぬのは幸せであると思う。生活空間で最後を過ごせるというのはやはり大きい。落ち着いて生活できるからか、苦痛の緩和に必要な薬剤の量も、病院ほど要らないことが多い。(p192)
致知出版社
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【私の評価】★★★★★(91点)
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