「コカ・コーラに学ぶビッグ・ウォレット戦略」古谷 文太
2011/06/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
■コカ・コーラは日本のどこでも
飲むことができますが、
販売している会社(ボトラー)は
地域ごとに別れています。
日本コカ・コーラが製品開発、原液を供給し、
実際の製造・販売は地域別の
フランチャイズになっているのです。
そのフランチャイズの株主も、三菱商事、
三井物産、大日本印刷、リコー、
キリンビール、カメイ、キッコーマンと様々。
地域別で地元密着というメリットもありましたが、
分割されていることで、製造コストが
高くなるというデメリットも
あったわけです。
・第一ステップ・・外部からの原材料・資材の調達の一元化・・・
第二ステップ・・製造・物流プロセスの一元化・・・
戦略効果・・年間250億円という当初目標を達成(p17)
■そこで検討されたのが、
原材料・資材の調達から
製造・物流までの一元化です。
(これがビッグ・ウォレット戦略)
これはどこでもメリットが出そうですが、
実際に実行するためには、
現場の協力がなかなか難しい。
現場には全体最適が見えないのです。
・個々の参加企業で働いている人には「全体最適」が
見えにくいため、どうしても
「部分最適」を求めて行動してしまう・・・
そのままでは綱の引き合いが生じてしまったり、
やる気をなくしてしまったりする(p170)
■良いことでも、実際に実行するには、
どうしても抵抗が出てくる。
そこを全体最適のために
調整する難しさが少しわかりました。
ヨーロッパの「ユーロ」導入も
同じ構図なのでしょうね。
古谷さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・共同調達を始めた最初の段階で
「一物一価」というルールを決めた・・・
同じ500mlのペットボトルならば同じ価格で出荷する・・
しかし、「Freight」、運賃は別である(p117)
・大手ボトラーと中小ボトラーが同じなのは
不公平ではないのか」との不満があった・・・
ボトラーごとに供給価格を変える工夫が必要であった・・・
この「一物一価」の枠外で調整されるコストを
調整金と名づけた。(p155)
東洋経済新報社
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
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