「さぶ」山本 周五郎
2011/03/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
江戸の下町で修行する二人の職人を描いた一冊です。
「栄二」は、利発でケンカも強く、勝気で、女性にモテるタイプ。一方、「さぶ」はのろまで人に馬鹿にされますが、着実、誠実なタイプです。
・うすのろとかぐずとか、手に負えない乱暴者とか云われる人間が、それぞれみんないいところを持っている(p276)
その強気の「栄二」は、無実の罪をきせられたことから暴れだし、島流しになります。そして、その島流しの中で、「栄二」が人間として成長していく。
「栄二」には常に、「さぶ」の支えがあって、一人前の職人となっていくのです。
最初のうちは、ひねくれ屋の「栄二」を見て、こんなに自己破壊的な人がいるんだ、と驚きましたが、小説なので、これもまた最後のどんでん返しに向けたもので、面白いのでしょう。
山本さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・生まれつきの能を持っている人間でも、自分ひとりだけじゃあなんにもできやしない、能のある一人の人間が、その能を生かすためには、能のない幾十人という人間が、眼に見えない力をかしているんだよ(p354)
・この世で生きてゆくということは、損得勘定じゃあない。短い一生なんだ、自分の生きたいように生きるほうがいい(p317)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
著者経歴
山本 周五郎(やまもと しゅうごろう)・・・1903年生まれ、1967没。『樅ノ木は残った』『正雪記』など著書多数。『日本婦道記』で第17回直木賞辞退。
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